3)王権の中に芽生えるもの 2004/ 5/ 9 投稿
得がたい、有りがたいものとしての天皇は 奇跡的ともいえる。 しかし奇跡ではなく 伊勢の遷宮のように 同じ形、同じ天皇という性質を上手く伝え、伝わった結果である。進歩というものが求められないが 正しく物を正確に残すという作業に重点をおけば 最良の方法は「人」を伝えること 世襲こそ優れてその力があるのかもしれない。
伝統的なものに特に多くこのような世襲という伝承方法が見受けられるのは 強く同じ物を伝えたいという思いが 世襲という手段となり 競争原理は必要なない。このような性質のものは確かに存在する。
競争原理の必要としない性質 即ち天皇の本質「大御心」を伝えるのに 何の選択(ここでは選挙ですが)が必要であろうか。
天皇家の私事である祈ることが 和歌を詠む心となり この国のまつりごとの核となったとき 合わさり出来上がった大御心を 大事なものとしこれを子孫に伝えようという意思、皆の思いこそ 統合の作用であり 「国民の統合の象徴」とは取ってつけたような言葉だが 伝統の共有とはそのようなものである。
政治という行政思想にも類似の王道、王権の行使というものがあるが こちらの方は 発展的に進化するもので 競争原理が必要とされ ある時期まで天皇と同じ道を歩むもので 権力を徐々に手放象徴化というはだかの権威となる。
日本のお殿様しかりマハラジャしかり 西欧の王しかり これらも徐々に権力を手放し 国や地域の統合の象徴の機能へ向った。 藩主や首長、マハラジャはより大きな国というまとまりを求めた時に表舞台から消え 国という範囲をもった王も一部は 権力の手放し方が遅れたことにより消え、その過程にあった多くの王は マルクス主義を掲げた王権の詭弁の社会進化という唯物史観の前に あらぬ罪を着せられ消滅したのも歴史。その国の歴史はその国にしかないのでひとくくりには出来ない。
天皇に備わった民族の財産 その性質を守ろうとするお国柄を 守り伝へることがこの国の明確な求めるかたちである。
昭和天皇のお人柄は たがえることなく孝明、明治、大正帝から伝わった大御心のあり方のあらわれであり 今上天皇に大御心の本質をお伝へされたのだ。
以上
2006/3/23(木) 投稿