
にほんブログ村
烏来(ウーライ)にある「高砂義勇兵英魂碑」の現在
烏来(ウーライ)の滝を眺めながら一息つき 今日の目的である高砂義勇兵の英魂碑を目指すとなるのだか 旧英魂碑へは2~3度訪れたことがあるものの ひと悶着後の英魂碑ははじめてなので場所が分からない。
旧英魂碑もそうだったが観光図や案内板がこの碑の性格から表立って滝のあたりから表示されていないのは変わらないようで 滝に面した道路に軒を並べるお土産屋さん尋ねることにした。

旧英魂碑に近い商店の店主と思われる女性にうかがうと親切に教えてもらう。
大体の目算の通り旧英魂碑から更に山に登ったところにあるようで バイクで行った方がよいのではないかと女主人はいう。
奥さんにバイクをとめたところから持ってくるあいだ 旦那は店で何か食べていけと熱心に勧められる。
バイクなら英魂碑には10分も掛からず付くだろうが撮りにかえるだけで3KM以上どう計算しても 女主人の提案はこちらに利はなく 時間があれば女主人の術中に自らはまり会話をするのも悪くなかったのだが 夕刻もちかづき台北で用もあるので歩いて登ると礼をいい向かうことにした。

滝側に渡すロープウェーの基点のよこの階段を登り 螺旋に付いた道路を直線にショートカットして横切る階段状の小道を息を切らせながら登る。
振り返れば烏来の滝が小さくなり その位置関係から滝口の高さぐらいまでは登った計算となる。
烏来の滝は滝つぼまで80mほどだから たいした高さを登ったわけではないが 既に脚は笑い始める兆候。
途中山桜と思われる葉を落とした木がある。台湾には落葉広葉樹がないわけではないが 台湾の山桜は観光地によく植えられる木だ。
中華民国の国の花は梅、台湾客家人の象徴は桐の花であるのが 調べたわけではないけれど台湾人の最も好きな花は山櫻ではないかと感じることがある。
山桜の足元にある木に看板があり「ウーライツツジ(烏来杜鵑)」とあり開花期は3月末から4月初めで 時は1月花はなかった。このあたりにしか自生しない貴重な樹木であるようだ。

公園が見えてきたところで公園の案内図があり「高砂区」というエリアが地図上にあり ここが英魂碑のあるエリアだとわかり 階段を登りきると英魂碑が見えてきた。
高砂義勇兵英魂碑の移設の際日本での募金活動により存続が出来るようになり その後英魂碑を含めた碑文が軍国主義的であると国民党の県知事による政治介入で 見るも無残に英魂碑がベニヤ板で覆われ 碑文にシートがかぶせられ 封鎖に近い嫌がらせがあったというニュースが報じられた一連の流れをご存知の方も少なくないだろう。
その後 原住民側から県政府に抗議があって 県政府が折れたというところまでしか情報を確認していなかったので どんな状態になっているか確かめて見たいと思っていた。
実際来てみると 画像データーがコンピューターの故障によって消失したこともあり自分の記憶しか頼れないが
旧英魂碑にあったものはほぼ100%移設され 新しい設置物を付け加え 民間の個人的施設でこじんんまりしていた旧英魂碑よりは 公的にきちんと公園らしく整って設置されて ニュース映像に合ったベニヤに覆われた無残な姿はなく 完全に復旧していた。
旧英魂碑との違いは メインの碑文の上にあった十字架にかわり高砂族の銅像にかわっていたこと。
高砂族の宗教はキリスト教が主であり 個人の所有であったので十字架であったものが 公的な公園に設置されるにあたりキリスト教色が排除されたと思われる。
また最初に旧英魂碑を訪れた時に日の丸と晴天白日旗が4本ほど立っていた国旗が両方とも取り除かれていたことが大きな違いだった。

つづく
以上
2012/5/9(水)投稿

にほんブログ村