美容医療の問題点 昔の各科の入局は「直入」だった | FF残日録のブログ

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広島県出身。各地で皮膚科の医療に関係してきました。2017年から,高槻の病院に勤めてます。過去の文書や今の心のうちを,終活兼ねて記して行こうと思ってます。2023/1/8に、dermadreamからFF残日録のブログに名称変更。

2004(平成16)年から新しい医師臨床研修制度が始まりました。この制度の理念の主なポイントは、プライマリ・ケアへの理解を深め、患者を全人的に診ることができる様に教育・修練することにありました。それまでは、大学病院での研修が主で、各病院が標榜する科に卒業と同時に入局する流れでした。京大はほとんどが即入(局)で、大学病院や関連病院で教育を受け修練するという形式でした。多分、大半の大学が即入あるいは直入だったと思います。しかし、いくつかの大学病院あるいは科はいろいろ工夫していました、和歌山県立医大は、2年間の外科・内科・救急・麻酔などをへて卒業後2年後に入局先を決めるという優れたものでした。浜松医科大学皮膚科は、卒業時に入局する科を決めるものの、2年間は関連病院で皮膚科に必要な幅の広い臨床を学ぶというものでした。

  一見、現在の美容医療と同じ様にも思われます。が、昔の直入と比べて、多くの医療関係者が「現在の美容医療」の直入に違和感を持つのは、教育体制にあると思います。新研修制度の理念の教育がなされているか?という心配です。教育の質と量が十分か?、教育よりも収益性に重点があるのではないかという心配です。学会を含めて様々なアプローチがされている様ですが、成案をみるのは難しい様です。