最近、痒みと膠原病で短い原稿を書くことになりました
膠原病の中で痒みを代表とするものは皮膚筋炎です。極めて強い痒みを生じます。そして特徴的な皮膚病変が現れます。皮疹のみで皮膚筋炎と診断することも可能なくらいです。
しかし皮膚筋炎だけではなく、強皮症、全身性エリテマトーデスあるいは皮膚エリテマトーデスなどでも痒みを生じる事はよく知られています。一般に強皮症の場合は、乾燥性あるいは皮脂欠乏性の変化によって痒みが生じます。また、エリテマトーデスの場合は炎症性の変化によって痒みを生じます。
私なりのポイントは下記の如くです
*痒みはほとんどの患者で見られる
*炎症による痒みと皮膚の乾燥による痒みがある
*皮膚筋炎の80-90%の患者が瘙痒を訴え、激痒は皮膚筋炎の診断にきっかけ・確定診断の根拠になりうる
*ループスエリテマトーデスでは75%に痒みがあり、約10%では強度の痒みを皮疹部に覚える
*強皮症では、スキンバリアの異常や付属器の機能低下で乾燥状態となり、大半の患者で痒みがさまざまな程度で現れる
*掻破によるケブネル現象を避けて、新たな皮疹の誘発と重症化を防ぐ
*膠原病および類縁疾患に造詣の深い内科医と皮膚科医の協働が大切である
いか、何回かに分けて投稿します