皮膚科教授選挙を振り返ってみたりして | FF残日録のブログ

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広島県出身。各地で皮膚科の医療に関係してきました。2017年から,高槻の病院に勤めてます。過去の文書や今の心のうちを,終活兼ねて記して行こうと思ってます。2023/1/8に、dermadreamからFF残日録のブログに名称変更。

自分の皮膚科教授選挙を振り返ってみたりして

 

過去3回教授選に立候補しました。1、2回目は落っこちでした。最初は30年近く前でした。あれこれ振り返ってみてみます。

皮膚科教授に求められるものは、教育力(学生、大学院生、研修医、医局員など)、研究力(実行力、企画力、統率力、調和力、財政力など)、臨床力、地域医療への貢献力です。選挙に立候補する医師には、全ての候補者に凸凹はあるものの総合した一定の力量があります。言い換えれば、スタートラインでは誰が教授になっても良いとも言えます。隠し味で重要なのは、その大学が新教授に何を求めているかですが、建前と本音の違いがあります。このギャップが教授選挙に様々な形で現れたり消えたりします。なので、立候補する側から考えるとどうにもならない世界です。さて、選考過程において重要なのが、天地人(天の時、地の利、人の和)です。中でも、地の利というのは、他大学から立候補する場合にはわからないことが多いです。噂は多数あれども、いずれも真実には程遠いです。人の和はとても大切で、立候補先の地元皮膚科医会や大学の同門会から背を向けられると選挙に勝つ確率は極めて低くなります。また、応募した大学の教授陣の中に一生懸命応援してくれる教授が一人でもいれば大変心強いです。その教授を動かすだけの人間力が、その候補にはあると言うことになると思います。もちろん母校の教授や同門会の激励や応援は選挙を戦う上で、大変ありがたいです。

山崎豊子「白い巨塔」の弊害が、教授選挙でお金が動くとう言うガセネタです。私は1995年にある大学に立候補して1999年に和歌山医大の教授になり、爾来四半世紀ですが、まずお金は関係ないと言うか動きません。

重要なことは、落っこちても当選しても、同じ土俵で戦った先生方をrespectすることです。謙虚であれと言うことです。無理にする必要はありませんが、自ずと湧き上がってくる感情です。学ぶべきことが多いです、本当に。