美容皮膚科に光を当てた巨人
Google Scholarのトップページに「巨人の肩の上に立つ」(Stand on the shoulders of giants)の標語が掲げられています。偉大な先人たちの業績や先行研究などを巨人に喩えて、現在の学術研究の新たな知見や視座、学問の進展といったものもそれらの積み重ねの上に構築され、新しい知の地平線が開かれることを端的に示した言葉とされます。
先週 日本美容皮膚科学会が盛会裏に修了しました。そこで、美容皮膚科に光を当てた二人の先生を思い浮かべました。お一人は、故安田利顕先生です。1965年、先生が著された「美容のヒフ科学」(南山堂)を読むと、美容皮膚科学に対する熱意を感じ取ることができます。もうひとりは、指導を賜った田上八朗先生(東北大学名誉教授)です。先生は、積極的に美容皮膚科に関係された訳ではなかったように思います。しかし、講演や論文から推察するに、先生は皮膚科と美容皮膚を興味の赴くまま自然体(田上の皮膚科学)で考えておられることが、わかります。「皮膚の医学 肌荒れからアトピー性皮膚炎まで (中公新書)」いい本です。添付の写真は、本書に掲載されていた皮表角層水分量測定装置の写真です。この機器が皮膚科で果たした役割は計り知れないものがあります。
