教授時代の失敗 (1)
1999年に大学の皮膚科教授に着任しました。私が着任した医科大学は、早くからスーパーローテト方式を導入していました。入局を決めていない初期研修医も3ヶ月間隔で、1−3名皮膚科にローテしてくれました。皮膚科(学)に興味を持ってもらいたいと思い、田上八朗先生の新書をプレゼントしました。
—『皮膚の医学 肌荒れからアトピー性皮膚炎まで (中公新書)』田上八朗著
既に入局している医師にも無料配布しました。 一般向けの書籍ですが、専門性もある良書なので、じっくり読んでくれるだろうと期待していました。結果的に、ほとんど読んでいないということがわかって、がっかりいたしました。
私は学会や研究会で幾分たりとも余剰金が出たら、医局員に還元しようと思っていました。実際、学会出張費や学会費用は他の大学に比べるとたくさん補助できました。何冊かの書籍もその例ですけれども、学会関係の補助等比べるとあまり効果がなかったと言うことがわかりました。ありがたみがなかったようです、で、24〜5年後の今思うのですけれども、やはり本と言うのは自分が読みたいなと思う本を自分のお金で買って読むと言うのが1番ですね。本に接する機会を、もっと別の方法で作るようにすればよかったなぁと、今更ながら反省しています。でも良い方法と言うのはなかなかありませんね。