皮膚科教授の喜び (3)学会発表の指導は駅伝です | FF残日録のブログ

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広島県出身。各地で皮膚科の医療に関係してきました。2017年から,高槻の病院に勤めてます。過去の文書や今の心のうちを,終活兼ねて記して行こうと思ってます。2023/1/8に、dermadreamからFF残日録のブログに名称変更。

学会発表は自分のためにも若手の教育にも大変重要です。

 

先週 土曜日にWebで第495回日本皮膚科学会大阪地方会(2023年2月4日)が行われました。高槻赤十字病院からS先生が陰嚢内硬化性脂肪肉芽腫の1例を発表いたしました。二度ぐらい、練習と内容のチェックを行いました。

 

チェックの内容は、全体の構成や理解の共有、症例・経過・検査結果・組織所見・診断・治療・発表のチャーミングポイント・考察・まとめなど、COIの有無、個人情報に配慮しているか、記載方法が独特すぎないか、間違いがないか、誤字脱字がないか、組織写真はピンボケしていないか、文献の記載方法は正しいか、スライド一枚あたりの字数行数は適切か、発表時間内におさまっているか、などなど。そして実際にしゃべって、読み間違いがないか、聞き取りやすい喋り方か(早口厳禁)、プラス 発表時の服装、身だしなみ、一般的な礼儀、質問に答えるときの常識的な返事・対応の仕方などです。たくさんありますが、指導する方もルーチンワークになっているので、さほど負担ではありません。でも、比較的若い指導者には色々あって大変かもしれません。

 

発表が終われば、良かったところ、改善すべき点を相談します。時には重要な論文の読み忘れがあるので、いわば復習はとても大切です。最後に、抄録原稿をチェックして、皮膚の科学や日本皮膚科学会雑誌に提出となります。

 

この作業は、若い医師にも自分の皮膚科学を育てていくために重要です。指導者にも皮膚科医を育てるために重要です。若い医師はやがて指導医になり学会発表や論文の指導する立場になります。この良き循環 いわば駅伝に自分は育てられたのだなー!と実感しています。