濱島語録 研究の心得(3)濱島教授の研究指導の基本(12−20)  | FF残日録のブログ

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広島県出身。各地で皮膚科の医療に関係してきました。2017年から,高槻の病院に勤めてます。過去の文書や今の心のうちを,終活兼ねて記して行こうと思ってます。2023/1/8に、dermadreamからFF残日録のブログに名称変更。

私が1980年前後に指導を受けた病理学教授濱島義博先生の研究心得をワードに書き換えたので、4回に分けてアップします。1)濱島教授の研究指導の基本(1−11) 2)原著論文 書き方の要領 3)濱島教授の研究指導の基本(12−20)、4)病理学教室第二講座 ルール 

 

 

(12)研究室での生活はどんな些細なことでも綿密にかつマメにノートすることである。緻密な注意力を自ら養成することと、つねに筆を走らせる習慣をつけることが非常に大切である。

(13)いかなる場合でも遅屋刻を許さない。本講習でも教授は諸君のためにすべてをかけ、全力投球して行うのであるし、助手の先生も自分の研究時間をさいてまで諸君を指導して呉れているわけだから遅れて来ることは指導者に対する最大の侮辱である。われわれの教室は映画館ではない。また一般に約束の時間に遅れること、時間すら守れな(以下一部欠落)

(14)本とかどんな物でも他人から借りた場合は、急ぎ用を済ませて直ちに返却すること。借りたものを返すことすら出来ないのならば初めから借りるな。借りる時は返すつもりでも結局返却しなかったならばそれは背信行為であり、以後友人として付合うことは出来ない。

(15)すでに他で公表されたものと同じ研究は一切してはならない。他人のやったことは絶対真似するな。研究はどんな些細なことでもよい、独創的でなければならない。その成果は世界で初めてのものでなければならない。そのためには絶えず関連の医学雑誌を多く読む必要がある。

(16)研究室貴族を追放する。研究室貴族とは他人の洗った硝子器具を平気で使い、使いっ放しにして洗いもせず跡始末も出来ず、また自分の部屋の清掃すら出来ない先天的不能者を研究室貴族という。お互い共同使用の礼儀を心得、 助け合い かつ也人のために尽くすことにつねに心懸けること。

(17)格調高い人問となれ。人の悪口は絶対云うな。うそをつくな。細かいことにとらわれるな。常に世界の科学者たる自覚をもて。

(18)労力を惜しむことなくマメに立ち働こう。何事も積極的にこうどうすることが望まれる。

(19)判らないことは遠慮なくどんどん聞くこと。聞けば誰でも親切に教えて呉れるものである。

(20)自然科学の研究でもっとも大切なことはどんな些細な現象でも「何故こうなったのか」という疑問を驚きの心で見出すことでありまた見出すべく努力することが必要である。