濱島語録 研究の心得(4)病理学教室第二講座 ルール (1−17)  | FF残日録のブログ

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広島県出身。各地で皮膚科の医療に関係してきました。2017年から,高槻の病院に勤めてます。過去の文書や今の心のうちを,終活兼ねて記して行こうと思ってます。2023/1/8に、dermadreamからFF残日録のブログに名称変更。

私が1980年前後に指導を受けた病理学教授濱島義博先生の研究心得をワードに書き換えたので、4回に分けてアップします。1)濱島教授の研究指導の基本(1−11) 2)原著論文 書き方の要領 3)濱島教授の研究指導の基本(12−20)、4)病理学教室第二講座 ルール (1−17)(18−43) 

 

病理学教室第二講座   Laboratory rule

 

次の諸注意は必ず守って下さい。

 

このRuleを必要とする理由は,各自の研究がうまく進むよう、お互いの研究を助け合って行けるよう、また共同利用の礼儀を心得かつ 円滑にするためです。

病理二講座における研究を通しての人生経験は自分の生涯の良い思い出となるよう命をかけて研究に励みましよう。青春は二度と帰って来ません。

 

1)「消耗品の節約、 機械類を大切に取扱う」は 研究室における常識である。たとえどんな小さなものでも購入を希望する場合には 必ず教室主任、教授もしくは教室会計担当者の許可を得なければならない。もし許可なくして自分勝手に購入した場合には 自分が責任をもつ必要があるがためにすべて自弁とする。

2)カラーフィルム 、電子顕微鏡の写真材料に無駄が多いようであるので撮影には大事な所だけに限定すること。

とくに初心者に対しては指導者が一つ一つその写真をとる必要のあるところを教示してあげて下さい。

3)わが研究室での仕事はすべて dust freeの最高に滑潔で綺麗な実験を行う ことである。従ってピペットやすべての実験器具を直接机上におくことなく必ずTissue paperをしいてその上において実験すること。

4)一切の研究資料(たとえが 緩衝液、 セルロース、寒天など)の室温放置は厳禁します。必ず忘れずに低温保存をして下さい。細菌繁殖の予防のためです。

5)すべての研究資料容器は実験中でも必ず蓋をすること(ゴム栓、パラフィルム、アルミフオイル等で)。目に見えない微塵こそ われわれの最大の敵です。

6)器具を破損した場合、どんな些細なものでも必ず教授まで申出て下さい。あとの補充のことがありますから。しかしすべて非常に高価なもの許りですから取扱いには呉々も注意して下さい。またたとえ試験管一本にしてもこわす間は操作が荒っぼいのであって、そのような時は末だ研究者としての資格がないものと思え。

7)使用後、すべてのものは必ず元あった所定の場所に返却し、かつ整頓すること。室内のものはすべて共用のものであって 自己のものではない。

8)研究室で最も大切なことは跡始末をよくすることである 。後から使う人に迷惑のかからないよう、むしろ次の人が直ぐに使えるよう洗って乾燥しておくのがエチケットである。

 とくに机上の散乱、セルの汚れのままの放置としばしば目に余るものがある。当研究室では一切のエゴを許さない。お互いのために尽し合いましよう。

9)物品の補充を必要と認めたとき、 直ちに教授まで申出ること。その場になってから欠乏しているということのないよう。

10)勤務時間中 研究室を離れる時には 必ず行先所在、連絡先、帰室予定時間をはっきりさせること。

11)剖検当番に当っている日は遅くても 午前9時までに教室に来ていること。本人の個人的理由のために他人に迷惑を及ぼさないよう。

12)必要以外の電源は 使用後必ずさしこみからはずすこと。

13)研究に必要なノー ト,ペン,白衣などは支給するから遠慮なく申出ること。

14)コピー代の支払いは守って下さい(目下経費オーバー)

15)梅雨に入ると研究室のすべてのシリカゲルを取替えること。使用する試薬は原則としてデシケータ中で十分乾燥されたものとすること。

16) ランチセミナーは必ず出席しましょう。われわれはたえず物を考える時間、他人の業績を批判して自分の研究に益するように努力する必要がある。

17)毎週水曜日の午前8時からの剖検整理会には全員必ず出席すべし。ヒト疾患の一例一例から新しい知識を獲得することに積極的であること。