私が1980年前後に指導を受けた病理学教授濱島義博先生の研究心得をワードに書き換えたので、4回に分けてアップします。1)濱島教授の研究指導の基本(1−11) 2)原著論文 書き方の要領 3)1)濱島教授の研究指導の基本(12−20)、4)病理学教室第二講座 ルール
原著論文 書き方の要領
1.論文は 先づ Material and Method から書き始めるものである。
これは自分が今までにやって来た使用材料や用いた方法をそのまま要領くまとめ ありのままを正直に書くのであるから誠に簡単である。そのためには日頃ノートの記載を十分にしておけば何でもないことである。
2.次に 原著論文で最も重要なResult(結果)を書く。この実験結果も 今までに得た所見のありのままを卒直に判り易くかつなるべ<詳細に記載する。しかし得た所見の記載は読んでいる人の身になって書くことが大切である。また記載の順序もよく考えてすること。結果はありのままを正直に記載するのであるから原稿を書くことは決して辛いことではない。「うそ」を書こうとするから苦しいものである。
Resultの項目はその原著論文総ページの大体70%を占める長さが常識である。前の Material and Method の占める割合いは15~20%、次のDiscussionが5%、論文最初のIntroduction が3~4%,最後の( 或いは
論文最初の)Summaryが1%。 これが原著論文各項目の占める割合いである。
3.DiscussionはResultを書いている間に その研究の中で最も問題点となる所,あるいは自己の成果で一番強調したい点を順序よく列べ、それについて他人の発表論文とを対比して論述すればよい。簡単である。
4.Summaryは要点だけを箇条書きにする。
5.末尾の文献は 世界で信頼されているものに重点をおきTitleまで正確に、またページも何頁~何頁と記入すること。