How to fly・14 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想書庫です


苦手な方はお気を付けください





















あの日の夜、頭を一度からっぽにした

それでも頭の真ん中に堂々と居座っていた想い



会いたい



「おつかれ」


「なに…また来たの」

「うん」



正直、怖い

彼だって気分の良いものではないだろう

傷付けられたのだとしたら遠慮なく怒っていいし、また蹴り飛ばしてくれてもいい

どんなお前だったとしても、この会いたいという気持ちは変わらない

だから、どうか、また俺と夜を過ごしてくれないか



「あなたはなんで…」

「うん?」



感情の読み取れない暗い顔、暗い声



「…いい、なんでもない」

「バカ野郎とか言って殴っとく?」

「そんなこと…」

「じゃあ蹴っとくか」

「手も脚も商売道具だから、それを使って暴力なんてしません」

「蹴られたことあるけどなぁ」

「そんなこと、ありました?」



顔に表情が、声に抑揚が戻ってきた



「この前のこと、許してくれんの?」

「…なにかありましたっけ?」

「あった、今日はお前待ってるのが怖かった」

「今も怖い?」

「いや、お前見たらやっぱり会いたくて堪んなかったってことがよく分かった」

「…へぇ」

「何を間違えてたのかちゃんと分かってないけど、不愉快にさせた、ごめん」

「別に…あなたが謝ることじゃないけど」

「じゃあ、許してくれる?」

「あーあ、今夜の客もめんどくさいなー、やだやだっ」



いつもの顔といつもの声

これがきっと、彼なりの許しの合図



「面と向かって嫌とか言うなっ 身体の打撃より痛いんだからなっ」

「ふふっ」



本当は言いたい事があったのかもしれない


が、彼は流すことを選んだ

俺はそれに乗る



「乾杯しよう」

「何に?」

「仲直りに」



彼がいつもするようにカウンターへ入り、グラスを出し、酒を注ぐ



「喧嘩してたんですかー?」

「してたの、ごめんね」

「…だから、あなたが謝ることじゃないし」

「勝手に謝りたかっただけ、自己満足、少しだけ付き合って」



いつもテーブルに二つのグラスを運ぶ



「俺も…その…」

「いいよ」

「なんで」

「なんとなく」

「なんとなくってなんだよ」

「乾杯っ!」

「わっ あぶねっ」



カチンと強引にグラスを合わせて、グイっと飲む


ふーっと一息つくと、目が合った

すぐに逸らされたけど



「かんぱい」



なんだか可愛い顔をして、彼もクイっと飲む



「よし、仲直りだっ!よかった!あー!怖かったーっ!」

「うるさいなーもー」

「んふふ」

「ふふっ」



彼を知る、俺を知ってもらう

それを真剣にやると、傷付けたり、傷付いたりもするのだろう

出来る限り避けたいけど、喧嘩と仲直りも悪くない



「うん!悪くなーいっ!」

「うるさーい」


「かんぱーい!」



もう一度、グラスを合わせた

















つづく