Tempesta・6 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想書庫です


苦手な方はお気を付けください





















「君は新人さんかな?」

「はい、オーシャンです」

「私は通って10年の常連だけど、ここはすごくいいお店だよ」

「はい」

「早くコーヒー淹れられるようになるといいね」

「がんばります、ありがとうございます」



チリン



最後のお客さまが帰られた

もうすぐ閉店時間



「今日の上がり一緒だね」

「そうみたいですね」

「もう看板消す?」

「はい」

「ついでにゴミも捨ててくるね」




あれから俺達の関係がどうなったか




「ぅ…んっ…」



チューしてまーす!



「んふふっ」

「…なに笑ってんだよ」

「二宮和也の声はやっぱりいいな~と思って」



ラジオからは聴こえてこない二宮和也の声がたくさん聴けて幸せな日々



「ねぇ、そのフルネーム呼び…いつまで続けるつもりなの」

「あ~、なんか癖で」

「あなた時々店内でもそれで呼ぶでしょ、あれダメだからね」

「そうだよね、なーちゃん」

「ナターシャです」

「なーちゃんがダメなら、和也」

「…え?」

「和也って呼ぶ」



あなたとどうこうなるつもりはない

何度も断られてる

だけど



「和也、もう一回いい?」



名前呼ばれただけでドキドキしてるよね?



「ダメに決まってんだろっ!つーかその呼び方許可してねーしっ」

「俺とチューしよー、和也」

「よ…呼ぶなっ…あっ…やめっ…んんっ」



分かるよ、耳が真っ赤だもん

唇もとろけるくらい柔らかいもん



「んん…んぅ…」



掠れた声が脳と腰に直撃する



二宮和也の声で、ナターシャの声だけど

なんて言うのかなぁ…

それのどれとも違う和也の声

こんな声を聴いてしまったら、諦めるなんて有り得ない



「ん…はぁっ…はぁ…」

「もう一回」

「だからやめろって…ぁ…」



本当はもう一回だけじゃなくて、もっと凄いチューも、その先のもっと凄いことも、期待してる

だけど焦ることはない

無事に従業員デビューも果たしたし

来週を待たなくても会えるから




生きることへのモチベーションが薄いのかもしれない

そんなことをぼんやりと思う日々だった



可もなく不可もなかったのに

「いいよ」なんて待っていられない

「ダメ」と言われても止まれない



不平や不満、強烈に求めるような欲もなかったのに

俺を見てよ、俺に聴かせてよ、好きなんだ、和也に触りたいんだ

そんなことを思う



俺、すっごく生きてる!




濡れた唇を拭って



「好きだよ」



何度目かの告白をして



「付き合う?」



強めに押すと「うん」と頷きそうになって、慌てる和也



「んふふっ」

「…なんだよ」

「和也も呼んでくんない?」

「なにを」

「俺のこと」

「オーシャン」

「じゃなくて」

「おーちゃん?」

「でもなくて」

「…大野智」

「今の、ラジオの俺でしょ」



分かるよ、声で



「大野智は大野智だろーが!あんたもフルネームで呼んでただろ?!」



そうだけど、そうじゃなくて

俺を、呼んで欲しいんだ



「目の前に居る俺のこと呼んで


お願い、和也」



「………智…?」



ビリッとキタ



「和也!好きだ!付き合おう!」

「…断るっ!」






声に恋をしていた一人と一人


お互いにその声を見付けて、二人は出会った



そして今、確かなきっかけだけを残して

新しい恋が始まる






「…聞こえてますけど」


「あれ?聞こえちゃった?」


「勝手に変なナレーションしないでください」


「さぁ!新しい恋の始まりだ!付き合ってくださーい!」


「断るっ!!」


「んふふっ」





















終わり