兄と弟の秋・3 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「コーヒー、飲むかなって」

「…コーヒー?」



廊下の明かりを背中から浴びている和の右手には、湯気が見えるカップがあった



「飲まない?」

「…飲む」



受け取ろうとドアへ進む



…接触は最小限に

気を付けながら腕を伸ばすと、それを避けるようにスルリと和が部屋へ入ってきた




「なん…っ…」



声が震える

身体が震えてるから、喉も震えてる



「話があるなら…」



そこで言えばいい

誰に聞こえたって大丈夫


誰も和を責めることはしない

だから、そんな無理をしてわざわざこここへ入ってこなくてもいいんだ




「ここに置くね」



コトン



俺用のコップが机に置かれる音が響いて

身体の震えが増していく



自分の立場は充分に理解しているのに

自分がなにをするか分からない



外に吹く爽やかな秋風とは似ても似つかないドロリとした欲求




手を伸ばせばすぐそこに…




側に来ちゃ駄目だよ

和の言う事全て聞き入れるから、早く逃げて



もう二度と、和を傷付けたくないんだ









「智兄ちゃんはぁ…もう告白したっ?!」



今朝、雅に聞かれた



「したよね?!ねっ?!」

「してないよ」

「えっ?!そうなの?なんで?!」

「なんでって…」



唇が離れた後

和の顔は強張ってた



嫌悪、恐怖、軽蔑

きっとその全てだったに違いない



もう二度と、あんな顔をさせたくない




「そっかぁ、言ってないのかぁ

俺は上手くいったのかと思ったんだけどな~」

「上手くいくなんて…」



そんなことあるわけないのに

夏が勝負だって思い込むなんて、馬鹿だった



「ほら、前に言ってた約束?みたいなのがあったじゃん?」

「うん」

「俺、今現在、迷惑じゃないからね?

だから、智兄ちゃんが出てく必要ないから

多分翔ちゃんも、潤も同じだと思う

だから、勝手に出てっちゃダメだよ~?」



翔と同じことを言ってる…



性格は似てないけど、人の機微に鋭いところはすごく似てる

翔は理論的に、雅は飾らない言葉で本質を突いてくる



二人が言ってくれた言葉



「迷惑じゃない」



それは本当なのかもしれない


だけど和が迷惑だと思ってる



だから、駄目なんだ

















つづく