兄と弟の夏・4 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















物心ついた時からこうだった



兄弟はみんな可愛い

みんな好きだし、みんな大切



でもそんな想いを遥かに飛び越えた場所に、和は存在していた



兄で、男で


男の、弟に



止められない愛しさと欲望




こういうの、なんて言うのかな



異常者


気を使ったとしても、犯罪者?



「者」って人だ


そんなに綺麗なものじゃない



悪魔?


化物?

いいよ、それで

和が俺のモノになるなら


肩書きが何になろうと関係ない





「…なにされるか、分かってるんだ?」

「弄るんだろ…それで俺が呆気なくイけば満足なんだろ」





翔と雅には、それぞれが義務教育を終えた時に話した



「和を愛してる」



ニ人は同様に少し驚いた顔をしてたけど、そうだろうと思ったと言っていた



拒否されて迷惑を掛ける状況になったら、俺がここを出ていく

翔、雅、潤が成人するまでの生活は保証する



二つの約束を、二人と交わした



「ああ見えて頑固だから、手強いかもね」

「うん」

「でも智くんのしたいようにすればいいと思う、頑張って」



「智兄ちゃん恋してるんだ?!」

「うん」

「なんにも出来ないかもしれないけど、心でめっちゃ応援してるからねっ」



こんな兄貴、軽蔑されてもおかしくないのに



「…ありがとう」



ニ人は静かに見守ってくれた



来年の春、高校生になった潤にも同じ話をする

その時にはもう、結果は出ているかもしれないけど





残された理性も随分と擦り切れてしまって、いつまで保てるか…



視野が広がって、見識も広がって

少年から大人になってしまう前の儚い一瞬

この夏が勝負だと思った



兄と弟から、その先へ



この道に常識や正解なんてないけど

和と一緒なら俺はどこへでも行けるよ





和が隣でペタッとくっついて「智兄~」と笑う顔を見るのが好きだった



このままが幸せなんじゃないかっていう俺と、特別に愛し合いたいんだろ?っていう俺


戦わせれば、必ず後者が勝利する



大切なのはタイミング

それさえ押さえればいけるって、もうそれだけを拠り所にして耐え続けていたのに


進学問題で揉めてから目に見えて距離が出来た




隣に和が居なくて

手を伸ばしても和が居なくて

甘えなくなって、頼らなくなって

普通とか、義務とか、和の態度からはそんな言葉が聞こえてきそうで

前のように、身体に触れることも無くなった



虚無感に打ちのめされて、寂しい寂しいと心が泣く



ではどうすればよかったのかと自問自答しても、答えは無い

















つづく