兄と弟の夏・2 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















コンコン



「入るよ」



ノックして、戸を開ける



「甘いの作った、飲む?」

「お~、ありがと」



ベッドを背にしてゲームをしていた和が立ち上がって、わざわざ入口まで受け取りに来る

暗に入室を拒むかのように

そうはさせまいと、コップに手が届いてしまう前に部屋へ入った



少しだけ動揺を見せた和の横を通り過ぎて、机の上にコップを置く




「やっぱ静かだなぁ」



ベッドへ腰を降ろすと、夜だというのに蝉の音が重なって聞こえた



翔は進学予定の大学へ通って、その行動力でサークルにも入って、この一週間は山奥で合宿

雅は友達と旅行

潤は部活と塾で、朝から晩まで忙しくしてる



「和」

「なに?」

「飲まないの?」



戸に背を預けて、こっちに近寄ろうとしないから

意図の無い振りをしてコップを指差す



「…飲むよ」



一歩、一歩、机に近付いてくる

あと一歩…もう少し



手が届く距離まで来たところで、素早く腕を掴んだ




「…っ!」



息を飲む音がした

逃げられてしまう前に腕を引いて、ベッドへ押し倒す



「…なに?なんなの」



引きつった顔



「俺のこと、避けてるよね?」

「避けてない」

「だったら前のようにベタベタしてよ」

「もうそんな子供じゃない」

「まだ怒ってるの?」

「俺が怒る理由なんてない、その資格もない」

「資格?」

「世話になりっぱなしで、智兄だけに働かせて、お荷物でしかない俺に出来ることなんか無い」

「誰がそんなこと言ったの」

「状況を正確に把握してるだけ、自己判断だよ」



真面目で頑固

こうと決めたら、自分の意志さえ消してみせる



強い和


惚れ惚れするほど格好いい



けど今は、その方向が大分間違ってる




「この状況は?どう把握すんの?」



腕と肩を押さえられて、ベッドの上で、俺の下で、身動きが取れないこの状況



「……智兄が、やりたいなら、それでいい」



俺に出来るのってこれくらいだもんね…



悟った顔して言葉を切ると、身体から力が抜けていった

















つづく