※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
「大野さん?」
「あっ…ごめん、聞いてなかった」
ぼんやりしててニノの言葉を聞き逃した
「帰りましょうかっ」
やっと丸一日空いて、ニノもそれに合わせてくれて
せっかく一緒に買い物してたのに
俺が、気を使わせてしまった
遠くに行くかもしれないと伝えたら、ニノはなんて言うだろう
引き留めてくれる?
行かないでって、言ってくれる?
俺の進路をニノに決めてもらうだなんて間違ってる
ニノの進路を、俺が狭めることも間違ってる
でも、ニノ…
ニノは、どうする…?
上司の望む返事が出来ないまま、その期限が迫っていた
「明日も出張…またニノと過ごせないし」
もう仕事終わる頃かな?
会いたいな…
一向に進まない支度にため息をつくと
携帯にメッセージが来た
チーフのニノと、恋人のニノから
「楽しそうだなぁ~」
主任になったらもっと忙しくなるけど、楽しく仕事するんだろうな
俺が「はい」と返事をすれば、そういう場を広げてあげられる
誰よりも先に「おめでとう」を言いたい
なにかあった時は、誰よりも先に駆け付けたい
立ち上がれなくなった時は、俺が抱えたい
そんな個人的な理由で、ニノの可能性を俺が狭めるなんてことは、あってはならない
ニノが待っててくれるマンションへ一刻も早く帰りたいのに
そんな時に限って、接待相手は上機嫌
「大野君が来てくれるって噂が流れてるんだよ~」
「まぁ…はい」
「君みたいな奴がうちには必要だからさぁ~、よろしく頼むよっ」
肩をポンと叩かれて、目に見えない何かがズシンと乗った
早くニノに会いたい…
「おかえりなさい」
酔えない酒だったのに、顔を見た途端に全てが緩む
身体もふわふわと軽くて、ニノに脱がされるとすぐに熱くなった
離れるとか、離れないとかじゃなくて
そんなことに左右されないような…
ニノを、俺のモノにしたい
俺が居ないと生きていけないくらい溺れさせて
俺が居ないと立ち上がれないくらい溶かして
意思がなくなるくらい壊したら
そうしたらニノは
ずっと俺の側に…
「酷く抱いて」
見下ろしたニノは無防備で、一つの警戒心もないどころか、好きに抱けと言う
真っ直ぐに見上げる清んだ瞳
これを…壊すの…?
「やだ」
「抱いて」
「やだ!」
「だったらキスして」
…優しいニノ
傷付けないように、そっと口付けた
つづく