トワトハ・部長's episode | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















パソコン画面とにらめっこしてるニノ

チームの仲間から声が掛かって、的確に指示を出すニノ

あははって軽やかに笑ってから、ふぁ~と出そうになったあくびをゴクッと飲み込んだニノ



可愛いなぁ



昨日も遅くまで頑張ってたんだろうな




「カズですか?」

「うん」

「…マジっすか」

「なにが?」

「自分が今どんな顔してるか、分かってます?」

「…さぁ」

「愛おしくて仕方ないって顔してますよ」

「…ねぇ、翔くん」

「言いませんよ」

「ニノのこと、頼むね」

「はい?」

「これからもニノが困ってたら助けてあげてね」

「それはあなたの役目でしょう」

「…だね」

「はいはい!部長の顔に戻ってくださいっ」

「は~い」



早く言わないと



そう思ってたのに、ギリギリになっても言い出せなかった






「これを断ったら、次はないぞ」



一度目は、春になる前



面白そうな仕事が遠くの支社で立ち上がることを知って

やってみたいな、そんな純粋な思いで出した異動願い



出世レースに担ぎ出されてからは

俺に対する周りの態度がどんどん変わっていくのが嫌で

ここではないどこかへ逃げたい

早く異動させて欲しいと思っていた



そんな時、ニノと出会った


穏やかで、とても楽しくて、こんな幸せな時がずっと続くと思っていた



…異動願いのことも、忘れてた




「来年もまたここでお花見しましょうね」



屋上でお互いの手に咲いた花を見つめて、ニノが言ってくれたのに

俺は、返事が出来なかった



断れない時が来るだろうことを、心のどこかで分かっていたのかもしれない






「本部長代理、引き受けてくれるな?」



冬になる前、二度目の打診

異動と一緒に、興味のない出世もついてきた



「少し、時間をいただけますか」



何事にもさして執着がなかったのに、今はどうしても譲れないものがある

それによって強くなったし、弱くもなった

言葉を換えるなら、俺の人生は比べようもないほど豊かになったんだ



俺の可能性が広がっていくの同じように、ニノにもニノの可能性が広がっていて

それなのに、二人の可能性だけは狭くなっていく




「君の部署の人事だ、目を通してくれ」



渡された書類は、俺が本部長代理を引き受けた場合の人事案



翔くんは妥当、遅いくらい

翔くんの後任は…ニノだ



「いいですね」

「あとは君次第だ

良い返事を期待しているぞ」



ニノが昇格する

やっと一緒に住めるのに…



なんで俺はそこに居ないんだろう
















つづく