部屋の外・18 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















腕を捕まれて、身動きとれないままで、まばたきもせずに涙を流してるカズ



どう考えたって嬉し涙じゃない

戸惑いを通り越して…恐怖?



当たり前か

これってある意味拘束だ



…あれ?無理強いしてる?



やっべ~

翔くんに怒られる





「……ぶゅ…ぎ…」

「へ?」



どっかで未知の生物が鳴いた



「…ぅ…ぷゅ…き…」



んなもんいるわけねーし


カズだよ

嗚咽混じりになにか言おうとしてる



「なに?」

「…ぅっ…き」



猿?可愛いけど、なんで猿?


じゃなくて、ふざけてる場合じゃなくて


もしかして、好きって、言おうとしてる?



「落ち着いて、もう一回」

「…す…」

「す?」

「…き…」

「それ、繋げてみ?」

「…すき」



目から水分出過ぎだし

顔が真っ赤過ぎて、このまま破裂すんじゃないかって心配になる



不器用もここまでくると才能

いや、個性か


カズがカズらしいってことだ




「俺も好きだよ」



この二文字を言うことがそんなに大変なことなんだね



「…ぅっ…ん…俺も…」



そこを乗り越えて、気持ちを言葉にしてくれたんだよね



カズ、ありがとう




やっと、出会えたね






嬉しいんだか困ってるんだか、カズはぷるぷる震えてて

放っておいたら卒倒しそうだったから、壊さないようにそっと抱き寄せた



濡れた顔を肩に乗せて、背中を擦る



「嬉しいね」

「…ん」

「二度目のはじめましてだね」

「…うん」

「元気だった?」

「…うん」



知らないことがたくさんある

だから、聞きたいことがたくさんある


でも今は、この他愛ない会話で充分かな



「俺に会いたかった?」

「……ん」



肩に乗っている頭が、コクンと小さく頷いた

















つづく