部屋の中・14 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「はぁっ…はぁっ…」



荒い息が整う前に、時間が来た


離れるのが惜しくて、最後まで残った指先で熱い肌をなぞる



「んっ…ぁっ…」



まだ敏感に反応してくれてる



「カズ…」



指先から溶けて、この肌に俺を残せたらいいのに…


もう一度だけ抱きしめて、強く吸った



「…ぃっ…」



うなじの下

深紅の棘痕を残した






今後のこと、カズ自身のこと

なに一つ話さなかったのに



「…退会、するから」



それだけ、教えてくれた



「これからは、外で会うってこと?」



そんなの違うって、分かってる

だけど、なにか話してないとこっちが無理だった



出会っただけなのに、まだなにも始まってないのに

別れの言葉に、聞こえたから




「知りたいことがあってさ…」

「それが分かったから、もういいんだ?」



なにが知りたかったのかも分からない

でも、俺を真っ直ぐに見てたから

そっか…って、言うしかなかった




帰り支度をしてるカズをずっと見てた



こういう出会い方も「有り」だって俺は思う

どこでどうやって出会っても、その価値は変わらないと思う



だけど、カズは「無し」なんだね




今日は俺が置いてかれる方でよかった

こんな顔してるカズを、一人になんて出来るわけない



「…バイバイ」



ひらりと舞った手はとても儚くて

この部屋を出たら消えてしまうんじゃないかと思った



俺が離れたくないから、そう見えただけかもしれない



でも、自分勝手な理由でもいい

背中を追い掛けて、ドアノブに向かう腕を取って


「カズ!」


引き寄せた




「またねっ」



きつく抱きしめて、存在を確認する



「だから、退会…」

「俺も退会する、退会して、ROUGEに頼らずにカズと出会う」

「なに言って…そんなの…」

「出来るよ、運命だから」



存在するなら会える

この地球にカズが居るなら、絶対に見付けてみせる




「……りがと、サトシ」




俺の名前を残して

カズは部屋から出ていった
















「ここかぁ~」



いつもは気にしないことでも


あの部屋の中に居ると全てが美しく見えた



だから、色んなことを覚えてる




最後の日



涙を流すカズをこの胸に抱きしめた時

手から鞄が離れて

床にドサッと落ちると、口が開いた



赤いファイル



見覚えのある紅




…ROUGE





直前まで仕事をしていたと言ったカズ

社員じゃないとしても、関係者である可能性が高い

だから、まずはここから



「俺は見付けるよ」



部屋の外で出会ってみせる




カズ

待ってろよ





















終わり




部屋の外へ続く…