※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
「お酒はダメだけど、すっごく楽しかったね!」
「うん!」
「この傷、ニノのおかげで綺麗に治ってきてるよ、ありがとう!」
「俺…すごい?」
「天才!」
「いやいや~それほどでも~」
「んふふっ」
「あははっ」
「そうそう!声が聴こえた時も、ニノが見えた時も
あんまりびっくりしなかったんだよね、なんでだろう…
初めから相性がよかったのかなっ!」
「そー!あの時はリアクション薄くてがっかりだったな~」
「え?!がっかり?!」
「ちょーがっかり!」
「そんなぁー!」
「あはははっ」
ちゃんと笑ってたんだけど
途中から涙が出てきちゃって…
そしたらニノの目も潤んでいるように見えて
ますます止まらなくなってしまった
「んふふっ」
「あははっ」
それでも二人で、笑ってた
「そろそろかな」
「えっ?」
「陽が上る」
ニノが小さな手で指したほうを見ると
カーテンの向こう側が、白くなってきていた
最後の夜が、明けていく
「大野サン、ありがとう」
「俺のほうこそ、ありがとう!」
「こんなに楽しく傷を治したのは初めてだったから…
ほんのちょっとだけ寂しいけど、俺って天才だからさ?
だから、綺麗に治せちゃったから…」
「うん…」
「お別れだねっ」
「う…」
「泣くなよ~」
「ありがとう…ニノ…すごく楽しかった!」
「うん!」
「また…会える?」
「う~ん…同じ人を担当することは稀だからなぁ~」
「…そっか」
「だから、無駄に仕事を増やすような傷を作らないように!」
「はぁ~い」
「じゃ、行くね」
ニノの色が、少しずつ薄くなる
「ニノ!」
「ん?」
輪郭もぼやけ始めて、向こう側が透け始めた
「本当に…本当にありがとう!
この傷を治してくれたのがニノでよかった!」
「うん!」
「さよなら!」
「バイバ~イ!」
いつもの可愛い笑顔を残して
ニノは、静かに消えていった
つづく