※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
「…大野さん?」
「ん?なにっ?」
「なにか良いことでもあったんですか?」
あれから二人でたくさん話した
本物のニノのことを知りたがってたから
優しくて、強くて、格好良くて
とても大切な存在なんだってことをいっぱい話した
「ニノが良いことあったのかって聞いてるぞっ」
「分かってるよっ」
「…なにが?」
収録の合間、セットの中でスタンバイ中
膝の上に乗せた手の指先に居るニノが、堂々と話し掛けてくる
「あっ…うん、良いこと、あったかも」
「かもってなんだよ!俺はすっごく良いことあったのに!」
「あった!良いことあったんだ~っ」
「いいですね、今日の大野さん、朝から楽しそうですもんね」
「大野サンには俺がついてるからなっ!」
「そう!久しぶりに楽しい感じっ」
「大野さんが楽しそうだと、なんだか安心しますよ」
「俺のお陰だ!」
「うん、ありがとう」
二人のニノとおしゃべりしてるみたいで
すっごく楽し~!
不自然にならないように頭を使わないといけないから、ちょっと大変だけどねっ
「大野サンっ」
「ん?」
「もうすぐ始まるみたいだから、俺一回消えるねっ」
「そこに居てもいいよ?」
「潰されたら嫌だもんっ」
「気を付けるから大丈夫だよ」
「このあと皆で悶絶するみたいだから、じゃねっ」
そう言って、小さいニノは姿を消した
…悶絶?
「なにを気を付けるんです?」
ひそひそ声で話してたけど、隣のニノに聞かれてしまってたみたい
「悶絶…するから?」
「は?」
「それでは収録再開する前に着替えま~す」
スタッフさんに促されてグレーのTシャツに着替えると
真っ赤な食べ物が運ばれてきた
「これかぁ…」
「これは悶絶しそうですね」
「大丈夫、一番辛いのは俺が食べるから」
「むせないように気を付けてくださいね
ちゅるちゅるって、食べるんですよ?」
「ちゅるちゅる?うんっ 分かった」
悶絶すると知っていたから、覚悟して食べた
だけど、小さいニノが言ったように、見事に悶絶した
手から汗がたくさん滲んできて、指の傷にピリッと痛みが走った
「俺に任せとけっ」
声が聴こえて、すぐに痛みが無くなった
汗が染み込まないように、ぎゅっと抱きついてくれてる気がして
一生懸命に守ってくれてる気がして…
口の中の辛さも和らいだ気がした
つづく