傘を持つ豚・3 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「見える?」

「見えない」

「声が聞こえるなら見えるかもしれないな…

ちょっとさ、そこに集中してみてくれない?」

「集中…」



じーっと、左手を見つめた



皮膚、爪

それだけ




「…見えない」

「名前、オオノサン…で合ってる?」

「うん、大野智」

「呼ぶから、集中してね」

「分かった」

「行くよ…大野サン、大野サン、大野サン」



全神経を、声と、左手に集中させる



「大野サン、大野サーン、大野サーン!」



なにも無かった空間に


ぼんやりと…なにかが見え始めた




「はぁ~疲れた、やっぱ無理かぁ」

「薄ぼんやり…見えたかも…」

「マジで?!ぼんやりって?どれくらい?!」


「だから、薄ぼんやり?」


「もう少し頑張ってよ!俺も頑張るから!」

「うん…」

「大野サンッ、大野サンッ、ここだよっ」



輪郭がはっきりしてきて

色がつき始めた



徐々に向こう側が透けなくなって…




「…あ、居た」



左手の中指の先に、黄色い傘を差した人間みたいなモノが居た





「見えたの?!ねぇ!ほんとに見えた?!

ここだよ!ここっ!おーいっ!」



嬉しそうな顔して、中指の上で、思いきり手を振っている



「見えたけど…」



これってなんか…



「マジか!やった!ちょー嬉しぃ~!!」



中指の上で、ぴょんぴょん跳ねてる




「君…誰?」

「一応、ブタって名前らしいけど、俺は気に入ってない」

「ブタ?なんで豚?」

「さぁ…よく分かんないけど、かなり高い確率でそう呼ばれてる」



少し早口で、でも聞き取り易くて、心地好く響く


…これって、ニノの声?



白い肌に、ひょろっとした手足

すっと通った鼻筋、片方だけ上がる口角



姿も、顔も、全部ニノ



指先サイズのニノだっ



可愛い~!




けど…なんだこれ?

















つづく




明日の更新、一時間遅れます。