※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
「痛っ」
魚を捌いてたら、指を切った
「いてて…」
毎回どこかしら切っちゃうんだよね
絆創膏貼ると邪魔くさいから
しばらく水で流して、口にぱくっと入れて消毒
作業を再開した
「でーきたっ」
我ながら見事な仕上がり
小さい魚だから、一人で食べれちゃうけど
仕事がなかったら一緒に食べたかったな~
「ビールと、箸と、醤油と…」
必要な物を持ってリビングへ
自分で振り付けした曲の記録用ディスクを入れて、準備万端
贅沢な時間を過ごせて
大満足で眠りに落ちた
「おいっ」
「おーいっ」
誰かに呼ばれてる気がして、目が覚めた
何時…?
やべ!すぐに迎えが来る時間じゃん!
急いでシャワーを浴びたら、昨日切った指から血が滲んでた
絆創膏は収録でも邪魔くさいから、またぱくっと口に入れて止血
ささっと支度を済ませて、現場へ向かった
「おいっ」
「おーいっ」
空き時間に控室で一人うとうとしてると
誰かに呼ばれた気がした
「もうすぐ呼ばれるぞっ」
「ん、分かっ…」
声がする方へ顔を向けた
「…あれ?」
誰も居ない
「誰かに呼ばれた気がしたんだけど…」
「ぼやっとしてんなって!仕事だぞっ」
やっぱり聴こえる…よね?
コンコン
『そろそろお願いしま~す』
ドアの外からスタッフさんの声が届く
「は~い」
さっき聴こえた声に怖さは感じない
多分、朝も同じ声だった
眠りこけてる俺を、二度も起こしてくれた
「ありがとねっ」
見えない声に向かってお礼を言って、控室を出た
つづく