血炎・19 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















毛布でぐるぐる巻きにされて、大野さんに抱えられた



大野さんの横を、大野さんのお母さんがサンダルのまま走ってる



…月明かりが綺麗だな



揺れながら流れていく夜の街を

ぼんやり眺めた






俺を抱えた大野さんは、なぜか病院に入っていった



大野さんのお母さんに付き添われて診察台に上がると

眠そうな顔をしたお医者さんが、俺の尻に向かって何かをしていた




…病院




小学校の工作の時間



接着剤の付いた手で目を擦ってしまって

すごく痛くなったことがある



目が開けられなくて

それでも無理矢理抉じ開けて

細い管の先から流れる液体をずっと眼球に当て続けた



しばらくすると、学校から連絡が入ったのか、病院に連れていかれた



保健室での素早い処置がよかったらしく

傷がつくなどの大事には至らなかったと伝えられた




先を進む後ろ姿に、一生懸命ついて歩いていた帰り道



「それ、本当に痛いの?」



こう問われて、考えた



…これは痛いとは言わないんだ



そう学んだ




だからこんなの、痛くないのに






「どうだった?!」



悲しい顔をして駆け寄ってくる大野さん



「大丈夫、消毒してもらっただけよ」

「…よかったぁ」



膝に手を当てて、ふぅと息をついてる



…なんで?



俺は大丈夫なのに




「保険証、明日持ってこれるかしら…」



いつもの笑顔が消えてしまった大野さんのお母さん



「痛みは?歩けるか?」



悲しい顔



「今日はこのままうちに泊まって、明日、ご家族には私から説明しますから

和くん、ごめんなさい」



こっちにも悲しい顔



「…なんで謝るんですか?」

「私の家で起きたことは、全て私の責任ですから」



みんなが悲しい顔をしてる



一生懸命頑張ったのに

どうしても上手くいかない





「…ごめんなさい、帰ります」

「ニノ?!ダメだよっ」



こんなに優しい人達が、俺のせいで悲しい顔してる



「帰ります、ご迷惑お掛してごめんなさい」

「和くん、ダメよ」



もうメチャクチャだ



俺が居るから、どんどんメチャクチャになっていく




「この服だけ貸してください、明日必ずお返しします」



大野さんのお母さんが走りながら鷲掴みにしていた服

大野さんの服


服からも優しい匂いがしてる



「うちの者には、俺から説明します

俺が勝手にやったことです

誰の責任でもないので、お気遣いは無用です

本当にすみませんでした」




頑張らなければよかった



喜んでもらいたいなんて

必要とされたいなんて


そんなこと望まなければよかった



無理なんだ



嫌というほど分かってたのに


なんで俺、頑張ったりしたんだろ…

















つづく