※ＢＬ妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
こちらのお話は『トナリデ』続編です。
「なんで？！大野さん悪くないでしょ！
酷いこと？していいよ！大野さんがしたいことしていいよっ！
だからっ…だから帰らないで…」
ダメだなぁ…
ニノのこととなると、なんでこうも周りが見えなくなるんだろう
ニノのことさえも見えなくなって…
それでもこうやって、一生懸命に俺を想ってくれる愛しい人は
いつも俺を、引き戻してくれる
「ニノ」
「帰らないでっ…やだよ…やだ…」
「帰らない、ニノの側に居る」
立ってるのが辛そうなニノをぎゅっと抱きしめて
ゆっくりと床へ座ると
「…ほんとに？
…帰らない？」
澄んだ瞳で見つめられた
「うん、帰らない」
「…よかったぁ」
涙の跡が幾筋も残る顔でふにゃっと笑うと
「…好き」
こんな俺に身体を預けて、その心までも、俺に預けようとしてくれる
…愛しいニノ
俺がニノから離れるなんて、有り得ない
「ごめんね」
「…なにが？」
「焦っちゃった」
「…なんで？」
「ニノのことが好き過ぎて」
こんなに人を愛おしいと想ったことがなくて
まさか自分が、こんなに焦って
その愛おしい人を泣かせてまで
気持ちを押し付けるような真似するなんてね…
「泣かせてごめん」
濡れた頬を指で拭っていると
「…一緒に…俺、大野さんと一緒に暮らしたい」
そう言ってくれた
まだここに居ると言ってくれた大野さんに、強く抱きしめられた
怖かった…
大野さんがこの部屋から居なくなってしまうことが
もの凄く怖かった
好き過ぎてだなんて…
俺を想って、俺なんかの為に、焦ってくれたんだよね
色んなこと考えて、すごく悩んで迷って「うん」って言えなかったけど
「…一緒に…俺、大野さんと一緒に暮らしたい」
これが、初めて聞いたときに、震えて泣くほど嬉しかった素直な気持ちだから
「うん、嬉しい…ありがとう」
背中に回されている大野さんの腕に、力が入った
もっと早く、こう言えたらよかった
ごめんね…大野さん
つづく