旅立ち・18 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。



こちらのお話は『再会』の続きです。





















「…先生?」




木の間を抜ける風に乗って、先生の声が聞こえた気がした



顔を上げると、いつの間にか寝ていたらしく

山の冷えた空気が、身体を震わせている



「…先生」



会いたい











「…ニノー」



…先生



「ニノーー!」



「…先生?!」


「…ニノっ?!ニノーー!」



本当にこの耳に聞こえた声に顔を向けると


真っ暗な道で、小さな灯りが揺れてるのが見えた




「せんせー!せんせーー!」



力の限りで叫ぶと、揺れる灯りが大きくなって、近付いてきた



そして、それが間近になった瞬間

「ニノっ!」

ガバッと温かいモノに抱きつかれた




「せんせ…」

「こんなところでなにやってんの?!

一人で危ないでしょ!身体も冷えてるし!

なんで電車に乗らなかったの?!」

「だって…帰りたくない…」

「だからって…」

「帰りたくない…もう離れたくない!先生の側に居たい!

先生っせん…せっ…うわぁーーん」




俺は、まるで幼い子供のように泣いた



先生の暖かい腕の中で












「嫌な予感がして、最終電車が出てから駅に行ってみたら

四角い板を抱えた男の子が


一人で山に入っていったって駅員さんから聞いて…

もう…心配させないでよ…」

「…ごめんなさい」



真っ暗な道を、先生に手を引かれながら

この家に戻ってきた



「もう寒くない?」

「…はい」



震えていた身体は、すぐに湯船へと沈まされて

扉の外で見張っていた先生に


「まだだよ!」と怒られながらお湯に浸かり

やっと許可が出るころには、身体の芯から温まっていた





「あんなとこで寝るくらいなら、自分の家に帰れば…」

「帰りたくないんです、先生」



先生が迎えに来てくれて


また会えて俺は嬉しいのに

まだ「帰れ」と言われてしまう



でも…帰るもんかっ



今度こそ、絶対ついていくんだ!




「はぁ…」



あ、後ろですごいため息つかれた


これ、帰る帰らないの前に、本格的に嫌われる…?


でも…


でも…



「置いてかれたって思ったら、4年間つらかったよね」



コトン

目の前に、温めた牛乳が置かれた



「だから今度は、ニノが俺を置いていくようにしたかったのに…

見かけによらず頑固なんだから」



「…俺が…先生を?」

















つづく