旅立ち・17 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。



こちらのお話は『再会』の続きです。





















駅に着いた


もうすぐ電車が来る



だけど、このままじゃ帰れない




「これ以上は連れ回せないよ

ニノにはニノの日常があるんだから」

「日常なんか無くてもいいです」

「ダメだよ」

「なぜですか?」

「なぜって…4年間も無駄にさせちゃったのにこれ以上は…」

「無駄じゃありません、勝手に決めないでください」



「…ごめん」



「謝らなくていいです

この絵を描いた理由はなんですか?」

「理由なんてないよ」

「パステルカラーの俺は?学校に送ってくれた絵は?

なんで描いてくれたんですか?なんで送ってくれたんですか?」

「だから、理由なんかないって」

「聞くまで帰りません」



「…俺は戻るから、次の電車に乗ってね」


「先生!」



帰れって言うくせに


なんでこんな幸せそうな俺を描いてくれたの…?



「先生っ!」



分からないから聞きたいって言ってるのに



「せんせー!」



先生が俺の声に振り返ることは


一度も無かった











リンゴーン♪



リンゴーン♪




祝福の鐘の音が、空から降ってきた…



あぁ、また夢?



身体が震える…寒い




リンゴーン♪



リンゴーン♪




…夢じゃない









どうしても、帰りたくなかった



幾つもの電車を見送って


日が落ちるまで駅で待った



もしかしたら、先生が迎えに来てくれるかもしれないと思って…




だけど「最終電車です」というアナウンスが流れた電車を見送っても


先生は来なかった




「帰れ」と言われて突き放されたんだから


当たり前だけどね…






あの家にも戻れなくて、外灯の少ない道を進む



海に向かう道とは逆の坂道を登っていくと

開かれた門に灯りがついていて

その横に腰を下ろした



「こんなことしてたって…」



無駄だと分かっていながら


暗闇の中で、膝を抱える



傍らには、幸せな顔をした俺



…先生は「理由はない」って言ったんだ



これ以上ここに居たって、例え同じ家に寝泊まりしてたって

先生が何を考えてるのか教えてくれないと思う



だけど…こんな気持ちのままじゃ帰れないんだ




「先生…会いたいよ」




俺はここに残ること以外、何も出来なかった

















つづく