旅立ち・19 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。



こちらのお話は『再会』の続きです。





















俺が先生を置いていく…?



分かんない…



せっかく先生が話してくれてるのに

全然理解出来ない




「せん…せ…いみが…」



「キスしたら美術室に来なくなったでしょ?

置いていかれたって思ったよ、ニノに」



「……え?…えっ?!」



「俺なんかと一緒に来るわけないって分かってたけど

キスなんかしなければ、最後の日まで一緒に過ごせたのにって

あれは人生で唯一の後悔だった

でもね、今はよかったと思ってる

ちゃんと卒業してほしいと思ってたし

ニノの人生を俺が手を引くのは違うし

ただ……うん…」



「…なんですか?」



「ニノのことが…身体の中から消えなくて

それで、絵を描いたんだよ」



この4年の間、先生の中に俺が居たの…?



「見付けてくれたらいいな、届いたらいいなって…賭けだった」

「…見付けました…見付けないわけない…」

「うん…ありがとう」



目の前に置かれたコップは冷めてしまっていたけど

俺を見つめる先生から、目を離すことなんて出来なかった




「自分勝手に思い出なんか残して…

でも突然目の前に表れたからさ、ニノが

つい…一緒に行く?なんて


自分でもびっくりするようなこと言っちゃった

そしたら行くって言うじゃない?

もうほんとにびっくりしたよ」



「だって…ずっと会いたかったから…」



「うん、ありがとう

でも、ニノにそうやって寂しい想いさせてたなんて思ってなくて

だから、今度はニノの望むようにしてあげたいって思った」



「だから…更新…」



「思い出の更新なんて、すごい言い訳だよね…ごめんね

その絵はさ、これで最後にしようと思って描き始めたんだ

だけど、薄れていくんだよね


時間って残酷っていうか…怖い

あんなに焼き付けたのに

…寂しかったなぁ」



「俺も…寂しかった…」



「うん、だから、ここに一緒に来て


色んなニノが見れて


楽しそうに…俺に笑顔を向けてくれるニノを見て


ずっと描きたかった絵を完成させることが出来た


…ありがとう、ニノ」




血がどんどん流れて、指先が熱くなってくる



いっぱい話を聞けて


まだ頭では理解出来ないこともたくさんあるけど…



俺は、先生と一緒に行くことが出来るんじゃないのかな



だって、俺達に問題なんて、何もない…




「ニノが4年前、俺と一緒に行きたいって思ってたこと

今も、俺に置いてかれたくないって…本気で思ってることは、分かった」



「はい、一緒に…行きたいです」




…やったぁ



一緒に行ける



先生と、生きていける

















つづく