旅立ち・16 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。



こちらのお話は『再会』の続きです。





















忘れ物がないか部屋を見渡す



荷物と言っても、持ってきたのはこの鞄一つ



帰り支度はすぐに終わってしまった






あの浜辺で気持ちを伝えることが出来た



先生は一言も返してくれなかったけど

それでよかったんだ



先生がなにを考えてるかなんて、俺には分からない

でも、ずっと言いたいと思ってたことは全部言えたから



あとは、夜通し練習したアレを言うだけ







階段を下りて廊下を抜けると、先生が立っていた



…大丈夫、言える



「先生…」

「ニノ、これ貰ってくれる?」



「……これは…なんですか?」



なんですか?じゃないよ



…見れば分かるよ




「20歳のお誕生日に贈りたくて2年前から描いてたんだけど

全然間に合わなかった」



……え?



「美術室に残してきた絵も、18歳のお誕生日に送った絵も

ニノの手元にあるって聞いて…

ありがとね」

「…いえ

あの…これ、見ていいですか?」

「うん、今朝やっと完成したんだ」




丁寧に、丁寧に包み紙を外す




「お誕生日、おめでとう」



「…ありがとうございます」



「駅まで送るね」











先生の背中を見ながら

先生から貰った絵を胸に抱いて、駅までの道を歩く



なんか…おかしくない…?



この絵を、2年も前から描いてたって言ってた




…なんで?





見覚えのある浜辺


海から昇る朝日を背負って振り向く男



…俺が、手を振っている



嬉しそうに、とても幸せそうな顔で



その目線の先には、これを描いた人がいるはず…






「次の電車まで時間が…」

「先生」

「ん?」

「俺、帰りたくありません」

















つづく