再会・16 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。



こちらのお話は『卒業』、二宮さんご生誕記念祭・2『1年3ヶ月後』の続編です。





















「はよーっす」



恐る恐る振り向くと


さっきの声とは裏腹に、明るく元気に挨拶された




「なん…で…」



なんで潤くんが、ここにいるの…?




「あ~ぁ、また暗い顔してるよ

そんな顔して会いに行くつもり?」

「…なんで?」

「だからぁ、そんな辛気臭い顔して…」

「だから!なんで?!なんでこんな時間にこんなとこにいんの?」

「お前だってこんな時間にこんなとこにいるだろうが」

「俺は…せっかく潤くんが約束してきてくれたのに

会う勇気が…何回無くなるかわからないし…」

「お腹痛くなっちゃうかもしれないし?

昨日も眠れなかったし?

…お見通しだ、ばーか」



今日のこの青空にも負けない爽やかさで

潤くんが笑った




中途半端な気持ちでぐずぐずしてた俺を

文字通り本当にケツを叩いて

くだらないこと考えずに会いに行けって言ってくれた



傷付けたのに…

俺、潤くんに酷いことしたんだよ



合わせる顔もないって


次に会う時どんな顔したらいいんだろうって



…怖かった



それなのに潤くんは


こんな酷くて情けない俺を


わざわざ見送りに来てくれたの?




ねぇ、潤くん

いつからここで待っててくれたの…?





「あー!腹減った!電車まだ来ないし、腹ごしらえしよーぜ」

「…潤くん」

「んー?」

「ありがと」

「……は?」

「いつも…ありがとね」

「なっ…なに言っちゃってんの?!」

「ありがとう、潤くん」

「別に?!あれだよ、ほら…あー、今日お前が正式にフラれたら

慰めるついでに俺のもんにしちゃおうかなっていう下心だよ!

言わせんなよ!ばかっ」

「うん…ありがと」

「だから!お礼言われる筋合なんかねーし!」

「うん、ありがとう」




何回言っても足りないよ…



「ほんとにありがとう…」





「……そんな涙でぐちゃぐちゃな顔で会ったら

先生にドン引きされんぞ」

「…うん」

「とにかく、飯!飯食ってパワー充電させとけ!」

「うんっ」



涙を袖で拭って


潤くんが歩く後ろをついていった












「…くふふっ」

「笑いすぎだからっ」

「だってお前…ぷははっ」



正式にフラれるのを見届けてやると言って

同じ電車に乗った潤くんは

さっきから笑いが止まらない



「ひと駅ずつトイレってどんだけ…くははっ」



最寄りの駅から都心の駅に着くまで

酷い緊張で震えが止まらなくて



「お…降りるっ!」



扉が開く度に電車を降りて


トイレへ逃げ込むということを繰り返した




潤くんは

「はいはい、いろんなもん出してこ~い」

と笑いながら付き合ってくれた




また「ありがとう」だよ




















つづく