君の手を・35 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















ニノに呼ばれた車の中で、俺を選ばないと言われて

何が起こったのか…よくわからなかった



頭が真っ白になって

急に息苦しくなって、車を降りて歩いた




これからは誰にも邪魔されず


やっと二人きりで幸せになれると思ってたのに


なぜかニノは色んなことを早口で言って


俺とは進まないと、最後にはっきり言った




ニノは俺が抱いてあげないと…寂しいはずなんだ



だって、あんなに…



初めて抱いた幸せな日のことを胸に呼び起こす





「酷くして」というニノの願いを叶えようと

硬い床の上で、手加減せずに抱いた



意識を飛ばしたニノをベッドへと運び、身体を拭いてあげてると

ニノの胸には俺の印が散りばめられていて、誇らしげに咲き誇る



「これでニノは、俺のモノだ…」



込み上げる気持ちを抑えられずに、意識のないニノに口付けをした




ニノの顔には涙の跡が残ってた

どうせ嬉し涙だろうと、あの時はなんとも思わなかった



綺麗な白い肌の至る所にあった痣を見ても

何も感じなかった




あれは…俺が付けた?



まさか俺は、身体にあんな痛々しい痣がたくさん付くくらい


強引にやったの…?




…そうだよ、ニノはあの日、泣きながら俺に抱かれてたんだ



ちょっと待って


ニノはいつから泣いてた?



…わからない



ニノが俺にどんな顔して抱かれてたか覚えてない

目を合わせた記憶がない



声は気持ち良さそうだったっけ?

身体は辛そうだったっけ…?



それも覚えてない



…手も握ってあげなかった



俺は、好きだよって、言ったかな…?



ニノはずっと震えてた…気がする、そんなことしか分からない




自分の欲を満たす為にニノを抱きたかったんじゃないのに


ニノを傷付けたくて抱いたんじゃないのに…



なんか…なんだろう

自分が自分じゃないみたいだ




なんで俺は、ニノが俺に伸ばしてくれた手を離したんだっけ…?





このままじゃダメだ、俺はきっと変わらなくちゃダメなんだ






優しくしたい…


優しく抱きしめたい



痛みも不安も悲しみも、そういうものが何一つない幸せに


ニノを連れて行きたい、一緒に行きたい



もう二度と、ニノを苦しめるようなことはしない



俺が変われば、ニノだって考えを変えてくれる



だから、俺を選んでくれるよね…?





宛てもなく歩いていた足を早めて、駐車場に向かった



…早くニノに会いたい

ちゃんと伝えなくちゃ



あれから随分時間が経ってるから


もうニノは一人で進んでしまったかもしれない



それでもいい、追い掛ければいい





駐車場に飛び込むと


さっきと同じ場所に、ニノの車があった



運転席に人影が見える



まだ一人で前に進んでない…?



俺は…間に合った?




ニノを驚かせないように、息を整えて


一歩一歩、近づいていく




俺はもう間違えないから



俺がその手を引くから



一緒に行こう、ニノ

















つづく