※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
ニノのマンションに着くまでが、すごく遠く感じて、急いでタクシーを降りた
地下駐車場からエントランスに駆け上がり、部屋番号を押すと
「ど~ぞ~」
インターホン越しの声に、胸がぎゅっとなった
…なんだろう
つい1時間前まで顔を見れる距離にいたのに
それでも仕事を終えて姿が見えなくなると、またすぐに顔を見たくなって
すぐに会いたくなって
…だからかな、ニノに会えるこの瞬間が
震えるほど、嬉しい
「いらっしゃ~い」
オイラを部屋に迎え入れて、ふにゃっと笑うニノを
今すぐ抱きしめたくなったけど
「あの…、オイラに何か用だった?」
なんとか衝動を抑えて、呼ばれた訳を聞いてみた
「ぇえ?!
用がないと呼んじゃダメだった?」
「あっううんううん全然っ、全然大丈夫!会えて嬉しいっありがとっ」
「あははっ素直」
オイラ、すっごい舞い上がってるみたいだ
…あれ?いままでどうしてたっけ?
どれが普通だっけ?
何がおかしいんだっけ?
わぁー!わからないっ!!
いったいオイラはいままでどうやってニノと接してきたんだろ…?
「とりあえずさぁ、新年の乾杯しない?」
ニノは冷蔵庫から缶ビールを二つ取り出して
「まぁ、打ち上げで散々やったから…今更なんだけど」
蓋を開けて、一つをオイラに渡した
「…ううん、ニノと二人で乾杯したかったから
…すごく嬉しい」
きっとオイラが舞い上がってるのは、ニノにバレてるだろうから
自分の気持ちに無駄な抵抗するのをやめたら
「出た、素直第二弾」
ニノはふふっと笑った
「じゃあ、改めまして、明けましておめでと~」
「明けましておめでとう」
缶ビールをコツンと鳴らし、二人きりで、新年を祝った
白組勝って優勝旗持ててよかったじゃんとか、正月は実家に帰るの?とか
他愛もない話をしながら、二人でのんびりビールを飲んでたんだけど
隣にいるニノが余りにも普通で
気持ちが通じたあの幸せな日は、たった数日前のことなのに
あれはやっぱりオイラが勝手に見た夢だったのかなぁと
ぼんやりとニノの横顔を見ていた
「…そんなに俺とシたい?」
急にニノがこっちを向いたから
身体がびくっと震えて
「あ…ごめ…、違うよっ
ニノの顔見てただけ…ごめん」
オイラはなんだか泣きそうになって、顔を逸らした
やっとニノと二人でいられる大切な時間なのに
なんでこんなに胸が苦しくなるんだろう…
「なんで謝るの」
ニノはオイラの顔を覗き込んで
「俺はシたいんだけど…?」
オイラが手に持っていた缶ビールをテーブルに置き
指を絡めてきた
「…ぁ」
オイラはそれだけで、自分の下腹部に熱が集まってくるのがわかって
心臓がうるさく鳴った
「明日はオフだし?
時間気にしないで集中出来るよ」
ニノは悪戯をする子供のように笑って
「今から…する?」
耳元で囁いた
つづく