【夏疾風】は、なじゅさんとのコラボ作品になります♡

 

妄想小説です。ご注意ください。BLの意味が分からない方はブラウザバックでお願いします。

 

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なじゅさんのEP2↓


 

 

(episode3)

 

「ちょっと・・・ニノ」

 

いつも冷静で俯瞰的に物事見ている印象が強いニノの、取り乱したような姿に俺はオロオロするしかできなくて、

 

「ニノ・・・なんで・・・知ってるの?」

 

俺はニノが推薦の件を知っているような口ぶりと、すっかりそっちに行くと思い込んでいることに混乱していた。

 

「母ちゃんから聞いた・・・今日、俺さ・・・おーちゃんに付き合って画材屋さんに行ったんだ。それで・・・潤くんが翔さんと一緒にいるの見た・・・そりゃ、相談相手としては適役だと思うけど・・・じゃあ、俺の存在ってなんなの?」

 

そう言ってコーラのカップを抱きしめるみたくして座り込んでしまった。

 

元から華奢な線のニノ・・・そのニノがちっさく丸まって泣いている姿が頼りなくて護ってあげたいって思うのに、身体が動かなくて俺はその場で棒立ちしたまま見下ろすことしかできない。

 

つい最近まで何も考えずにじゃれ合うことができたのに、急にニノの立ち位置が【幼なじみ】から違うポジションにシフトしている気がして。

 

それはただの友達とも違う・・・もっと・・・もっと大切な存在。

 

って言うか、俺・・・ニノがおーちゃんと2人で画材屋さんに行くとか聞いてない。

 

その部分につっこみたい気持ちは山々で、そう思った時にニノに対する独占欲を感じていることを初めて実感する。

 

こんなこと・・・今まで考えたことなんてなかった。

 

「ニノ・・・」

 

「俺・・・ ずーっと潤くんの進学先が気になってて、でも聞けなかった。そしたら、母ちゃんが潤くんにD高からスポーツ推薦の話が来てるって。そんな話、俺には一言も話してくれないし・・・受験勉強にも積極的じゃないし・・・だからD高からの誘い・・・受けるんだって思った」

 

ウルウルと涙を湛えた綺麗な瞳で見上げられて、

 

「ちがっ・・・そうじゃないって!俺だってニノの志望校聞けなくてモヤモヤしてて・・・だってニノってば成績いいのに勉強ばっかしてるし・・・だから俺はてっきり翔くんと同じB高狙いなんだなって・・・そう思ったらイライラして煮詰まって、だから翔くんに話を聞いてもらっただけだ」

 

だってお前に直接、聞く勇気なかったんだよ!

 

ヤケクソ気味に叫んだ俺に、

 

「・・・え、何で?」

 

とか無垢な視線を向けられて、なんか何をどう説明すればいいのか分からなくなってくる。

 

「・・・だから」

 

この後に及んでも尚、言い淀んだ俺に、

 

「俺は・・・潤くんと一緒がいい」

 

ニノがポツリと呟いて、次の瞬間には耳まで真っ赤になって自分の口を右手の指先で押さえて視線を逸らした。

 

 

なじゅさんのEP3↓