メッセージをしっかり受け取りたかった夜。 | Festina lente!〜悠々として急げ〜   

Festina lente!〜悠々として急げ〜   

日々の希望は、フィギュアスケーター羽生結弦さんの存在。さまざまなこと。さまざまな幸せについて。

 

 

 

RE_PRAY 横浜公演初日。

 

その世界観に、

すんなりと入り込めるような感覚があった。

回を重ねるごとに、スケールの大きさを実感する。

表現力、テクニック、そのすべてにおいて

一体どこまで高めていくのか。

 

埼玉での初演では、

大きな衝撃とともに、

この物語をどう捉えればよいのか

いろいろな解釈に翻弄されていたのに。

今ではすっかりと居心地の良さすら感じている。

 

「羽生結弦はこんなにすごいんだぞ!」

大声で全世界に叫びたい。

 

 

もちろん、すべてを理解したとは言えない。

でも、またこの世界に浸りたくなって、

癖になるような未知の感覚を楽しみたかった。

 

 

私は、

彼の指先が何を表しているのかを知りたい。

彼の足元が刻む音はどんな感情なのか考えたい。

 

森林の中、風が吹き抜けている。

胸の奥、熱くたぎった思いが溢れ出している。

希望、喜び、そして、苦しみ。

 

 

彼の全身は、どの一瞬も表現することを止めない。

見逃したくない、聴き逃したくない。

 

 

 

なのに今日の公演では。

 

 

近づくのを待ち構えるように、大音量の嬌声が上がる。

それにつられて、笑い声が起こる。

肩を揺らして、足を鳴らして、興奮を表す。

 

 

うん、嬉しいよね。美しいよね。わかるーー!

でもね。

気が散った。

物語から現実に引き戻された。

彼が込めた気持ちを共有できなかった。

 

 

今、目の前を通り過ぎた彼は、どんな眼差しで、

指先は何を表していたか気付きましたか?

 

彼には演技中の笑い声が聞こえています。

どんな気持ちでしょうね?

 

天と地のレクイエム
HOPE&LEGACY

春よ来い

 

これらの曲に込められた

彼の想いを聞いたことはありますか?

それは、笑い声が似合う内容でしたか?

 

 

指先、足先まで全神経を注ぎながら、

伝えようとする想いを受け取るよりも、

自分の興奮を伝える方が大事ですか?

 

彼を応援する人ならば皆、

きっと「NO」と思っているはず。

 

もちろん、ルールやマナーとは言わないし、
思わず声を上げてしまうことまで、悪いこととは思わない。

 

ただ、盛り上げるために、

彼のために良かれと思ってあえて悲鳴を上げているのなら、

それは違う、と思うだけ。

 


「彼がその演技で伝えたいメッセージを

しっかり受けとめるには?」

 


それを一度でも考えてみれば、
それぞれのプログラムとの向き合い方、

それぞれに合う声援の形が見えてくるはず。


私はそう思うのです。
 

 

 

目の前を通り過ぎる演者に対して

拍手で盛り上げるのはよくあること。

その音は、さざなみのように広がって、

拍手が賞賛の声になって届く。

フィギュアスケートならではの、美しい、

大好きな光景。

 

 

思い切り歓声を上げることも、

大事なこと。

それが合う場面とは、

演者が観客に目配せした時。

決めポーズを取った時。

みんなの声が聞きたいよ!とアピールした時。

もちろん素晴らしい演技の最後にも。

 

観客と演者がひとつになって

盛り上げていく一体感は、最高のカタルシスだから。

 

そう!今回もそんな場面は

アンコールにちゃんと用意されていた。

 

本人のレスポンス指導付き、

ノーリミットの盛り上がり許可。

叫んで、笑って、が似合うプログラム。

 

 

RE_PRAYは、その世界に没入しないともったいない。

アンコールは、声を上げて参加しないともったいない。

 

 

RE_PRAYで羽生結弦が描き出す世界。

 

ナレーションで語られる言葉。

それぞれのプログラム。その順番。

振り付けに込められた彼の想い。

 

 

どの一瞬も見逃さずに、全身で受けとめたい。

どの一瞬も、気を散らされたくない。

この至高のパフォーマンスを、

今、見ることができる奇跡を噛み締めたい。

 

 

 

まとめ

 

「声援はメリハリつけて楽しみたい」

 

 

モヤモヤ&しみじみ感じる夜明けです。