「Hope & Legacy」
これほどストレートなテーマを持って来るとは思わなかった。
近年、エキシビションではお馴染みのスタイルとなりつつある
極めて情緒的なプログラム。
五輪前、最も冒険ができるシーズンと言われる今季、
ゆづがフリーの演目に選んだのはその集大成とも言えるものだった。
でもそこには、これまで影のようについてきた「苦悩」の気配はない。
そこにあったものは「希望」。
そして、どんな経験ですら「糧」にしていく、という強い意志。
ゆづが
どんな目線で未来を見つめているのか
何を遺そうとしているのか
まっすぐに伝わって来るプログラム。
演じるゆづは、息を吞むほどに美しい。
祈り、感謝、そして心からの喜び。
幸福そうに微笑むゆづ。
そんな姿を見ることができる私たちは幸せだ。
たとえそれが、命を削るように闘っているからこその
美しさだとしても。
今季は、ゆづと一緒に笑顔で前に進もう。
胸の奥に芽生えた切なさは
もうしばらくの間、お預けにして。