「龍如一哀しい“女”」:麗奈 | Born Again

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※2023.5.20 記事タイトル、画像追加etc.修正しました。


氏名:麗奈 (れいな)


職業:神室町「セレナ」ママ



麗奈といえば、龍が如くシリーズに登場した女性キャラの中でも屈指の“大人の女性”というか、しっとりとした魅力を持ったキャラという印象です。


個人的にこういう魅力を持ったキャラの再登場を待ってるんですが、なかなか現れないですね…。



さて、まず麗奈の年齢について考えると、「桐生や錦山と十数年の付き合いだった」ことや、劇中でのやりとりを見てると、桐生や錦よりも少し上?の40歳ぐらいかなぁと見積もってます。

そう考えると、『龍が如く1』の冒頭(1995年当時)の時点で既に自分の店を持ってたということは、結構なやり手なんでしょうね。


そのセレナですが、個人的に『1』の頃のセレナの雰囲気がすごく好きでした。

『1』の頃の桐生(プレーヤー)にとって、神室町は誰が敵か味方か分からないほぼ完全アウェーな状態だった。


そんな中で、10年ぶりにセレナに帰って来た時の麗奈がもたらす安心感は、(麗奈の正体が実は…だったとは言え)やはり特別なもので、セレナのあの何とも言えない雰囲気は、やはり麗奈あってのものだったなぁと実感します。


麗奈と桐生はもちろん馴染みなので良い関係なんですが、個人的には伊達さんと麗奈のやりとりもなんかほっこりして好きでした。



余談ですが、実は今のニューセレナってあんまり好きじゃないんです。


内装はそれほど変わってませんが、照明の明るさや壁の感じも旧セレナのやや赤みがかった方が雰囲気があるし、BGMも以前のピアノの曲の方が個人的に好きですし・・・。


ママが代わったのに“ニュ-セレナ”とかいうネーミングがムカつくし(今更ですが)、何よりあのオバサンがどうも好きになれない(`×´)


・・・少し毒吐いてすみませんm(_ _ )m



話を麗奈に戻します。

この人実は、錦の事を愛してたんですよね。


でもいつから好きだったんでしょうね?

変貌後か、それとも若い頃からか?


それとどういう経緯で錦に心を奪われたのか?


確かに見た目に関してはシリーズ屈指のイケメンキャラとは思うけど、中身に関しては少なくとも錦が変貌した後は…という感じで。


ただ、桐生、由美、妹の優子と、最も大切な人間をあまりにも立て続けに失った反動で錦が修羅の道に堕ちていく姿は麗奈としても立場上見ていられなかったでしょうし、そんな錦を放っては置けないと考えるうちに愛情が生まれたんでしょうか・・・?




そしてもう一つ疑問。

錦は、そんな麗奈の気持ちを知ってて利用していたのか?という事。


結論から言えば、おそらく“さもありなん”ではないかと。


あの時の錦は、はっきり言って精神的に異常な状態でした。


なので本人が言うように、


「10年前のあの日から誰も信用していない。」「(風間の)親っさんや麗奈でさえも自分がのし上がるための犠牲」


という言葉は、哀しいかな本心ではないかと。


そんな状態の錦が、麗奈の気持ちを知ったところで感情が揺らぐような事は無かったと個人的には考えます。


なにより錦は由美に対して異常な執着を持っていたので、そういう意味で錦にとって麗奈の事は眼中になかったのではないかと思います。


ただ桐生や由美を失った辛さは麗奈も同じだった訳で、そういった気持ちを分かち合う余裕が錦にあれば、錦もあんな悲惨な事にはならず、二人の関係も悲劇的な結末は迎えなかったのかもしれません。


結局のところそうならなかった訳ですが、だからこそそんな錦に寄り添いたいという麗奈の感情が、桐生に対する裏切りと言う最悪の形で出てしまったのかもしれません。



そして『1』の10章では、桐生たちの姿に心を揺さぶられた末、自らの行動に責任を取るべく行動を起こします。

この10章自体が麗奈(とシンジ)の章と言ってもいいような内容なんですが(そもそもタイトルが「愛の形」ですし)


ただ罪滅ぼしの為とは言え、好きになった男に銃を向けるのは心中相当辛いでしょう。


そういう麗奈の心情を考えるだけでもプレーヤーとしては胸が締め付けられますが、その先にある最悪の事態を考えれば、まだこれぐらいでは序の口なのかもしれません。



麗奈の決断も空しく、彼女は荒瀬によって命を奪われてしまいます。


シンジが追い詰められ、その後荒瀬が登場するあのシーンですが、個人的にシリーズ屈指の名シーンだと思っています。


というのも、本来あまり感情的になる事のない“静”のキャラクターの桐生が、危機的な状況にあるシンジや、無残に殺された麗奈の死体を見て珍しく感情を露わにします。


桐生がああいう状態になることはあまり無いと思うんですが(『3』の力也のシーンは置いといて)、その桐生が思わず漏らす「うわぁぁぁぁぁ!!!」というあの雄たけびが、桐生にとっての麗奈という人間の死の重さを表しているように感じて、歴代でもトップクラスに入るお気に入りのシーンです。


少しまとめに入りますが、初代『龍が如く』が(少なくとも管理人には)未だに心に刻まれるような作品たりえる一つの要因として、「誰一人欠けても絶対に成立しないドラマの深さ」があると思います。

桐生や遥だけでなく、麗奈、錦、由美、伊達さん、風間の親っさん、世良会長、シンジ、花屋、あるいは嶋野や兄さん、神宮といった悪役まで、その全ての人の生き様が詰まっているからこそ『龍が如く1』たりえるのであって、初代は他のシリーズ作品よりも、特にその傾向が強かったような気がします。


その中にあって、麗奈という一人の女性の“切ない”あるいは“哀しい”とも表現できる生き様も、そのドラマを語るには欠かせない、大事な要素なのではないでしょうか。


まぁこんなに魅力的なキャラ、おいそれとは出てこないですよね。


それはそうと、『龍が如く0』に若い麗奈とか出てこないかなぁ(^∇^)


どういう経緯で桐生たちと出会ったのか分からないですからね。


神室町のとあるバーで働いてて、ひょんなことから桐生と出会って…みたいな展開が、サブストーリーでもいいのであればなぁと思っています。