他人が進む道はコントロールできない。
自分でコントロールできることをやる。
犯罪者だった過去
現在活躍中のキン肉マンマリポーサ。
マリポーサは少年時代、“ぬすっとジョージ”と言われていました。
ロビンマスクが住んでいた豪邸に忍び込み、ロビン家の家宝“アノアロの杖”を盗んだ過去もありました。
ゆでたまご『キン肉マン26巻』集英社
悪行三昧だった盗人ジョージもやがて大人になり、キン肉マンマリポーサに変貌。
彼を慕って仲間も付いてくるようになり、王位争奪戦にも出場。
因縁のロビンマスクと好勝負を展開しました。
さらに時を経て、現在も続いている時間超人との戦いでは、威厳のある雰囲気さえ持つようになりました。
ゼブラ&マリキータマンのセコンドについたときには、「アタル兄さんのような頼りがいが感じられる」との声も聞かれるほどです。
非行は親の責任?
不良から更生して立派な大人に――
多くの場合、成長するにつれマリポーサのように更生するものです。
反対に、小さい頃は優等生だった子が、大人になって変わってしまった、犯罪に手を染めるような人間に成り下がってしまった、というケースもあります。
不良からそのまま不良のままで変わらないケースもあります。
その子がどんな道をたどるかはわからないものです。
そして親は、その子の行く末をコントロールできないものです。
私には兄がいるのですが、兄も私も親の思い通りにはいきませんでした。
兄はいわゆる名門と呼ばれる大学へ進学したものの、就職活動がうまくいかず10年ほど引きこもりに。
一度社会へ出て10数年間働いたものの、またしても最近引きこもってしまうようになりました。現在、ほぼ誰ともコミュニケーションを取らない状態です。
私自身はというと、せっかく入った大学をすぐに中退。
プロレスの世界に飛び込むも、ケガなどがあり業界を出たり入ったり。
ふらふらと定職にもつかず他業界と何足ものわらじを履きながら現在に至っています。
私の両親、特に父親なんかは子どもに対し「とにかく安定した人生を歩んでもらいたい」と望んでいました。
安定した仕事に就き家族を養っていけばそれでいい、みないな。
親が子に対し望んだ「安定した人生」は何処へ…
特段、しつけや教育が良くなかったわけではありません。厳しく優しく育ててくれたと思っています。
しかしこのように、非行というわけではありませんが、兄弟2人とも親が描いていた理想通りの道には進んでくれなかったんですよね。
親としてやれること、しつけや教育…
それによってある程度の年齢、範囲まではコントロールできるのでしょう。
期待通りに成長してくれるケースもあるでしょう。
けど、物心ついた中学生あたりからだんだん思い通りにならなくなっていくと思います。
なぜならその子の生まれ持った感覚、何に反応するかなどは、その子にしかわからないからです。
当然といえば当然です。
その「生まれ持った感覚」を度外視して、必要以上に縛り付けたりコントロールしたりしようとするから軋轢(あつれき)が生じるのではないでしょうか。
唯一コントロールできるのは?
アドラー心理学に「課題の分離」という考え方があります。
何やら難しい話のように聞こえるかもしれませんが、
要は、「自分でコントロールできることとできないことを分けて考えよう」という話。
他人のことは基本的にコントロールできないものです。
我が子も他人。
今回の話においては、そう思っておいたほうがいいでしょう。
他人には期待せず自分ができることをやる。
自分のコントロールの及ぶ範囲のことをやる。
そうして課題を分離し整理させておけば、少しは心も軽くなるのではないでしょうか。
誰もがマリポーサのように改心して立派な道をだどるわけではありません
いやマリポーサの行く末だってわかりません。
飛翔の神と連携しどうなることやら…
ともかく、彼が今後どのような道をだどるかはわからないのです。
バッファローマンやロビンマスク、アシュラマンはキン肉マンのもとを離れ、ザ・ワンと行動をともにすることになりました。ラーメンマンも同じく。
彼らにしたって、キン肉マンにはコントロールできない道に進んでいったじゃないですか。
ですので、いつ何時、誰かが思いもよらぬ道に進みだすのかはわからないのです。
え、オマエまじかよ…
なんでそっちへ行くんだよ…
と言いたくなるようなことも起こりうるのです。
我が子も含めた他人の動向、行く末はわからない、コントロールできません。
この前提に立ち、自分ができることをやる。
コントロールできるのは、自分しかいないのですから。