
「美味しかった」
そう思っていただければ、
もう一度来ていただけるチャンスはあると思います。
でも、それ以上はない。
私はそう思っています。
二度目に来てくださったお客様には、
前回以上に、その方が何を求めているのかを考えます。
どんなものがお好きだったか。
どのくらいのペースで
食事をされていたか。
そうしたことを少しずつ覚えて、
次の接客に生かしていきます。
ただ、
「前回のことを覚えていますよ」
と、こちらから言うことはほとんどありません。
言葉で伝えるのではなく、
「自分のことを少し分かってくれている」
そう感じていただけたらいいと思っています。
それを一度ずつ積み重ねていく。
そしていつか、
「今日は任せるよ」
と言っていただけたり、
大切な接待で使っていただいたり、
ご家族を連れてきていただいたりする。
そういう時に初めて、
安心して任せられる店に
少し近づけたのかなと思います。
美味しいものをお出しすることは、
もちろん大前提です。
その先にあるものを
一度のご来店ごとに積み重ねていく。
西麻布で長く店を続けてきて、
今はそれがとても大切なことだと感じています。