都知事選の結果は、現職圧勝という形で終わりました。
ネットもしくはメディアでしか情報を得られないので実際にはよく分かりませんが、石丸氏の熱烈な支援者・応援者の賛同と絶賛の投稿が目を引き、若年層が実際に選挙権を行使したらもしかしたら番狂わせが起きるかもという選挙戦でした。
石丸氏と蓮舫氏の得票を足せば小池氏の得票数を上回りますからね。
とかく注目されたのは 「恥を知れ、恥を」「既存政党・政治を全否定」など、舌鋒鋭く分かりやすくスパッと一刀両断する発言が、これまで既得権益を独占して、利潤を吸い上げている老害の存在を表舞台に登場させて正義の鉄槌を下した、そこに年齢・学歴・経歴も加わって、若い人には、それが世の中を本当に変えてくれそうで「カッコいい」らしいです。
話題性では断トツ、圧勝したのは石丸氏でしょうね。ネットだけでなく街頭演説でも「石丸劇場」と呼ばれるくらい全国から支持者が集待ってきました。政治の世界に強烈なインパクトを与えたと思います。
人を惹きつける話術や行動力、自己責任論など持てる者側の視点から元大阪府知事・市長の橋下氏、元明石市長の泉氏などに通ずるものがあり、政策・施策などは真逆でも、印象の与え方はれいわ新選組の山本太郎氏に通ずるものがあるようにも感じました。
既存政党の推薦を持たないリベラル系・市民派系の人が首長に当選されているのは安芸高田市だけでなく全国の地方自治体ではすでにいくつか起きているので、それほど珍しくはないと思います。
55年体制以降、長年にわたって地域の政治・経済を支えてきた人たちも、皆さんお齢を召され、そのジュニア世代は先代を反面教師としたのか、あまり表舞台に顔を出されない、いい意味ではある程度地盤も基礎が固まっていて安定している、悪く言えば変化のない淀んだ・停滞した空気の中でモヤっている、そんな現状を換えるべく風穴を開ける人が出てきたということかなと思いました。
ただ、首長になられた後の市政運営には少し戸惑いがあるように映ります。
首長になればトップダウンで自分のやりたい施策ができると思っていたが、現実はなかなかそうもいかない。
以前居住市の前々市長さんとお話しする機会がありましたが、首長時代にやりたいことの10分の1もできなかったと仰っていたのがとても印象的でした。
民間会社の社長で、前市長の応援母体を引き継がれた人でも内部の抵抗、外部の圧力でそうなるんだと思いました。
私が今回興味深いと感じたのもやはり石丸氏、と言いますか石丸評の二極化です。
政治の見える化を公言され、普段は終始笑顔で穏やか、市長室もオープンにするなど開放的であると言われている反面、議会での答弁拒否や一部報道の取材拒否といった面もお持ちです。
支援者からは財政の健全化や教育分野への投資などを実績として評価されるも、地元ではただの切り捨てとバラマキだと批判の声も多い。
無所属で都知事選に挑戦する姿が行動力がすごいと評価される一方で、市長を途中で投げ出す責任感のなさが批判されています。
全般的に合理的な判断力との評価は、批判する側からみるとサイコパスと言われます。
それくらい同じことに対しての見解が違ってくるわけです。
そして何より個人的にこれはどうかと思うのがメディアや議会との対立です。
地方自治体は二元代表制なので、仲良しこよしもどうかと思いますが、必要のない対立はプラスにならないどころかマイナスだと思います。
名古屋市や明石市のように対立した挙句に出直し選挙をするなど、必要のない選挙に時間とお金と職員の労働力を浪費するだけの、市民にとってマイナス以外に何者でもないと思ってしまうわけです。
こうした石丸氏の支援者側と批判側の投稿などを拝読しているとPTAに肯定的な人と批判的な人の投稿が被ってきます。
お互いが違う価値観や違う視点の考えを受け入れない、議論もしない、ひたすら相手を非難するか反発するか、あるいは釈明するかに終始している主張。
あるいは人権だ、公平公正だ、多様性、弱者救済だと言いながら、自己責任論に終始し、知識の乏しい人、学歴の高くない人、富裕でない人に対して高みから見下した言葉や態度など
あるいはどこか一つに問題があると全てが問題であるかのように吹聴することなど
ホントによく似ているなあって感じてしまいました。
全く話は違いますが先日発売されたアエラの「子が卒業後も居座り、権力を振りかざすPTA元会長・・・」という記事を読みました。
これってPTAの問題じゃなくて「人」の問題というのが率直な感想で、ヤフーニュースのコメントにもたくさん寄せられていますが、PTAに限った話じゃなく、人が一定期間で入れ替わる組織や団体ならどこでも起こり得る問題だと思います。
顧問を置くことができると規定しているのは、会社で言えば代表権・議決権を持たない会長や相談役と同じで1期限りというのが多いんじゃないでしょうか。
文字どおり何かあった時に相談できる人というイメージですが、相談があっても1、2回程度で私も顧問として1度だけ会議に出席しましたが、現役員の邪魔をしないようそれ限りとし、相談のない限り口出しはしませんでした。
一方で口を出したい人、自分の存在を示したいという人がいらっしゃるのも事実ですが、それでも記事のような進行形の組織運営にOBが直接関与するケースは数多ある組織や団体の中でもそんなに多くはないように思います。
居住市では会長経験者のOB会が存在している地区が一つだけあったように記憶していますが、運営に口出しされることはないと聞きました。
中高の部活のOBが引退後に頼まれて顔を出してアドバイスや指導をするのと同じで、OBの関与を望んでいる人もいれば疎ましく思う人もいる、現役世代が自分たちの都合のいい時だけOBに声をかけて利用するケース、あるいは最初は現役の方から頼んで加わってもらって、途中から鬱陶しくなったケースもあるので、誰か一人の声がすべての声の代弁者でもないんですよね。
私もPT会員ではなくなって10年近く経ち、いつまで気にしているんだと思う人はいらっしゃるでしょうが、PTAに関する記事を見たり聞いたり、こうして書いたりしているように、身近な、あるいは直接影響を与えるものではないにしても自分の経験や考えが誰かの一助になればと思っている人は結構いらっしゃると思います。
で冷静に考えてみれば、私もアエラの記事の人と変わらず、実は鬱陶しい人かもしれませんね。