昔 DDT という農薬がありました。  | バラのお話

バラのお話

1998年 福島県須賀川市でバラ農園をはじめました。
農家は研究開発型の仕事だと言う信念で
とにかく、毎日を実験しまくっています。
バラの育て方の方法を色々と書いていきます。
もっといい方法があれば、コメントください。
ありがたいです。

ユーカリの葉にも、アブラムシはつきます。

でも、バラに付くアブラムシとは違う種類なのです。

 

バラ園の中に植えてある ユーカリですが やっぱりバラとは違う

種類のアブラムシがつきます。

 

結構、自分のくいものの好き嫌いには、頑固なんです。

 

昔、DDT という農薬がありました。

今はもう使われていません。

ジクロロジフェニルトリクロロエタン というのがその名前です。

 

有機塩素系の農薬です。

 

1939年くらいに大量生産されるようになり

その頃としては、人に対してあまりきつくない農薬として

量産させる技術を作った ミュラー先生はノーベル賞をもらっています。

 

毒性としては LD50が300mg/kg なので

塩の10倍くらい毒性は強いのですが、当時としては、毒性が低いものだったのでしょう。

 

わたしの母親が言うには

「 戦争に負けたときに 校庭に並ばされて(その頃小学生であった)

進駐軍に(アメリカの占領軍のこと) ノミやシラミが汚い と言って 頭から

DDTかけられたわ」

 

と言っていて、92歳までいきていたので、あまり毒性はなかったのでしょう。

 

でも、 その、DDT があまりにも 多種類の虫を殺しすぎる そして、残留して

生物濃縮が起こり 結局人間に被害をもたらす

 

と言った人がいました。

 

あの レーチェル・カーソン 先生 でした。

「沈黙の春」 という本の中で。

 

そんなに、農薬を使って、バンバン 虫退治していると

生態系を壊してしまって、人間が大変なことになるよ。

とか

残留性があるから、どんどん、生物濃縮されていって

最後に人間が食べるときには、結構な濃度になるよ

とか

虫は、どんどん慣れいって、耐性がついて、効かなくなるよ

とか

 

という

今風なことを 1961年に 書き表したのでした。

 

(昔読んだので、本当は、ちゃんと覚えていませんが

そんなところだったと思います。)

 

 

その本については、今でもいろいろな意見がありますが

 

この本が出たおかげで

世間の間で、いろいろ考えが変わって

 

農薬も

とにかく効く農薬(第1世代)から

人間により優しい農薬(第2世代)

そして

すぐに分解して環境に優しい農薬(第3世代)

へと変わってきました。

 

このDDT を含む 有機塩素系の農薬は 分解しにくいので

私の知っている限り ペンタック という ダニ剤を除いて

今は使われなくなりました。

 

このペンタックという薬は 塩素系なのにどういうわけか

紫外線に弱い。 紫外線に当たると、簡単に分解してしまうというもので

紫外線カットフイルムのハウス内でしかあまり効果のないものでしたので

今でも生き残っているみたいです。

 

さて、

わたしの生まれた頃の 1961年に出版された 沈黙の春 ですが

 

今、大型ハウスに化学農薬をまかなくなって6年、生態系バランスで

なんとなく 大被害が出なくなってきています。

 

なるほど、生態系のバランスを失うと耐性菌や 耐性虫がたくさんできてしまって

かえって、大変になるんだ。(昔のその大型ハウスがそうであった)

 

ということが、私には、やっとわかるようになってきました。

 

人間は単純だから、こいつが悪いに違いないから、絶滅させてやる

と言わんばかりに、力でねじ伏せようとしますが

 

結構、そんな、悪いやつに見えているやつでも

本当は、影で、良いこともしているのかもしれません。

 

前に書いた雀のように。

 

そのへんを見極めるというのは、本当に難しいな。

 

と思う今日このごろです。

 

ITA