塩は毒? 毒にも薬にもなる話 | バラのお話

バラのお話

1998年 福島県須賀川市でバラ農園をはじめました。
農家は研究開発型の仕事だと言う信念で
とにかく、毎日を実験しまくっています。
バラの育て方の方法を色々と書いていきます。
もっといい方法があれば、コメントください。
ありがたいです。

バラのはなびらの砂糖漬けです。

 

今日もやっぱり農薬の話。

 

「農薬はそんなに、危なくはないですよ。」

 

というと

「じゃあ 飲んでみろ。」

 

と言われたことがありました。

 

「それって、どういうこと???」

と、思いましたが

 

多分、 良いか 悪いか という 二項対立 で考えて

量 ということを、考えてないんだな ということが

わかりました。

 

面倒なので

 

「今の、第三世代の農薬は コップいっぱい飲んでも、お腹悪くするか

体調が少し悪くなるかはしますけれど、まず死ぬことはないですよ。」

 

と言っておきました。

 

きっと、自分で飲んで 実験することはないと思いましたから。

 

本当は 

「そんなんやったら、塩 コップいっぱい食べてみろ 」

 

と言いたくなりましたが。 それはやると危ないので言いませんでした。

 

みんな、虫を殺すくらい毒だから、人間にも毒だろう と思っているかもしれませんが

生物には 特異性があるので 人間には大丈夫でも、 虫には効く というものは

たくさんあります。 そういうのを、開発して 農薬にしているのです。

このことは、また後で。 今やると、ややこしくなりますので。

 

今、言いたいことは

食品が体に良い とか 悪い とか よく口にしますが

そのもの というよりも 量が問題なのです。

 

ということが言いたいのです。

 

急性毒性(食べたらすぐ死ぬ毒性)の強さを表す指標に「LD50」(Lethal Dose 50:半数致死量)というものがあります。 これ、何回も出てくるかもしれないので覚えておいてください。

 

 LD50が3000ミリグラム/キログラム とは、体重1キロにつき3グラム。体重60キロの人が180グラムを一度に食べると確率的に2人に1人が死亡するという意味となります。

数値が大きいほど安全性は高くなります。

 

実は 塩は LD50を調べると3000ミリグラム/キログラムなのです。

 

だから、無理して 塩を コップいっぱい 食べると大変なことになります。

普通 しょっぱすぎてやらないですが。

 

砂糖の LD50 は およそ 3万ミリグラム/キロ 

さっきの計算で行くと 体重60キロの 人の半数致死量は 1.8Kg

 

甘い系のジュースやコーラは 10% 以上の 砂糖が入っているので

2L ペットボトルには 200g 以上 入っていることになりますね。

2L のペットポトル 9本 飲むと ちょっと危険 ということになります。

まあ、そんなには飲めませんが。

 

 

じゃあ、農薬の半数致死量は

というと

よく使われている 有機リン系農薬 オルトラン(アセフェート)のLD50が 5000mg以上/Kg

で、塩よりは 害が少なそうです。

 

フマキラー おすだけベープの成分の トランスフルトリン というピレスロイド系農薬も

やっぱり LD50 は 5000mg以上/kg です。

 

これらの値は ラットや マウス の値ですが

人間に対しては、もっと高い値になるようです。 つまりもっと安全側。

 

だから、結構平気で CM 流したりしているということでしょうね。

 

(でも、トランスフルトリンは 冷血動物の魚には効きますから気をつけてください。)

 

いろんな単語が出てきて

わけわからんようになったかもしれませんが

 

大事なところは

どんなものでも、量によって 安全だったり 危険だったりするので

 

必ず 量や 濃度を 考えにいれましょう

 

ということでした。

 

なんか、講義のようになってしまって

面白くありませんが

 

とにかく、量や濃度を気にしてね。

ということをわかってもらいたくて、書いてみました。

 

また

読んでくれる人が減りそうな感じ。

 

ITA

 

わたしの説明よりも

東京大学の 冊子のほうが分かりやすいかも

https になっていないから 飛べるかどうかわかりませんが

貼り付けておきます。

http://www.frc.a.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2018/03/5a006118ca76d8694877d133103cce4c.pdf