3次元CAD、CGとモノづくり
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RP機に見るモノづくりの考え方の違い

RP機に見るモノづくりの考え方の違い

 本日の本題はその3次元データでも、RPそのものについてでもない。

 「Dimensionの筐体について」である。

 しばらく前のある日、事件が起きた。

 何やら鈍い何かが落下する音がした。
 そして、3D-GANの事務所のスタッフの一人がDimensionのフロントについているはずのガラスの板と格闘している。これは、普段は中をのぞきつつも遮熱などの役割も果たしている、二重のガラスの外側の板のようだ。

 平たく言えば、その板が落ちたので再度取り付けようとしていたということだ。まあ、機械だから何か壊れることもあるだろうし、外れることもあるだろう。むしろ私としては何か面白いことが起きたくらいの感覚であった。

 だが、私の次の瞬間の反応は、まさに「お!?」

 その板がどのように取り付けられていたかを知った時、一瞬目を見開いた。
 だって、だって、その板は何と「ベルクロ(マジックテーブ)で貼付けられていたからだ。普通(って何が普通なんだろう)ネジ留めしてあるとか、あるいは、爪が出たスナップか何かで、反対側の穴に引っ掛けてとめているだろうと考える。

 でも、マジックテープなのだ。

$3次元CAD、CGとモノづくり-Dimension1
写真1:扉(筐体側)左側にマジックテープがあるのがわかる

 というわけで、この写真で見るように同じようにマジックテープで補修となった。実はこの修理の後、何回か同様のことが起きたのだが、確かこれは耐熱性のテープに変えることで解決した。

 さて、本日の本題はここから。

 モノを作る時に考えている「前提」が最終的に部品をどのように留めるのかということに繋がるのではなかろうか。ここではその前提を二つの視点で考える。

(その1:簡単に壊れるが自分では直せない)
 例えば「簡単に外れてしまっては困る」という部分に固執すれば、とにかく外れにくい、あるいは絶対に外れない、外れる時には壊れるようなものに仕上がるのではないだろうか。

 但し、絶対にそうとは言えないが、そのためには色々と構造を検討したり、余分な加工をしなくてはいけない、ということも出てくるだろう。前述のDimensionの扉の板であれば、ネジ留めなら、そのための加工をしたり、あるいはその穴が目立たないようにする、あるいは何か爪のようなファスナーで留めるのであれば、そのための加工をする必要がある。

 つまり、コストに跳ね返ってくるのである。

 また、例えば爪が折れたとか、留めている部分が破損したらユーザは自分では直せない。修理を待たなければならない。時間のロスにもつながる。

(その2:時に壊れるが自分でも修理できる)
 逆に「モノなんだから、壊れることもあれば外れることもある」と考えれば、それほど凝った留め方はしないが、でも壊れた時には自分で直せる。

 Dimensionの設計者がどう考えたのかは本当には知らないが、私の見立てでは、こちら側の考え方ではないのかなと感じる。

 実際問題、今回の件でも修理は極めて簡単である。しかも事務所の場所は、おあつらえ向きで秋葉原で、ちょっとした品なら簡単に手に入る。あとは、元のマジックテープを剥がして、新しく買ってきたやつを適当な長さにはさみで切って、それを筐体の扉本体と板に貼り、そして再びもとの位置に戻してググッと押し込めば以上終わりである。

$3次元CAD、CGとモノづくり-Dimension2
図2:マジックテープで修理中 その1

$3次元CAD、CGとモノづくり-Dimension3
図3:マジックテープで修理中 その2
 
 実に簡単な修理である。

 筐体を作る方だって楽だろう。

 見栄えに影響は与えないし、機械の機能に影響する場所ではないし、何か精度が必要な場所でもない。追加の加工の手間はないし、それにコストもかからない。

 まあ、「数百万円の機械にこれかい!?」っていう感覚もなくはないが、誰かが何か大きなダメージを被るような話しでもない。

 メリハリをつけて作られた製品

 たまたま起きたこの出来事でちょっと、モノの作り方を考えさせられた。いい加減に何かをやるということではなくて、絶対に壊れては困るところの作り方と、壊れても当座は大丈夫で、必要なら専門外でも簡単に安価に汎用品で修理できたほうがコストも下がるし、ユーザもそのほうが便利というところでは作り方が違っても良いのではなかろうか。

 別の言い方をすると、本当の意味での「良い加減」だ。

 今回の件も、私個人の(他のスタッフはどう思ったか知らないが)印象としては、悪印象は抱かなかった。だって、すぐに直ったんだもん!

 ミッションクリティカルなものは壊れては困る。そして、そのような部分はまず壊れては困る。しかし、そうではない部分まで凝って作り込まなくてもよいのではないだろうか。簡単に直るから、何かあったら自分で直してね、っていうメリハリがあっても良いと思う。

 実際、Dimensionは安定した機械で、初めから3D-GANでDimensionのお守りをしてきたスタッフによれば、故障らしい故障は一度だけ。あとは極めて快調に走り続けてくれた。

***

 さて、今回はDimensionで起きた事件をネタにさせてもらったが、個人的にはこのマシンは大好きだ。かなりお世話になりました。

 私が事務所を置いている3D-GAN(3Dデータを活用する会)の事務所には、複数のRP機が置かれている。私が最も多様しているのは、Dimensionなのだ。

 Dimensionの仕上がりは平滑度という面では、やはりジュエリーなどに使われるものと比較すると、積層の縞模様がはっきりとわかるが、純粋に形状を確認する、あるいは簡単な機能試作をする、あるいはカジュアルな趣味レベルでの模型を作る、などの用途では非常に効果的なツールだと思う。

 Dimensionの良さは何と言っても、他のRPや試作方法と比較すれば安価である、サポート材を取り除くことが容易であるということだ。とにかく手軽に使えるので、私もアイティメディアの連載
「俺仕様のiPhoneケースを作ろう(http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/kw/oreiphone.html)」
「物欲全開!俺が欲しいものをもっと作ろう「http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/kw/oremono.html)
などでも使っている。

 つい先日、ネタになったこの「Dimension」が、「uPrint」という機種に入れ替わった。同じ会社の製品なのでRPとしての方式も同じだが、新しい機種であり造形物の仕上がりの品質も前よりもさらに改善しているようだ。できの良い弟分といった感じだろうか。

 さて次は何を出力しようか。


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新しい3次元CADの記事始めました

みなさま、こんにちは。

一時すごく涼しくなりましたが、またまた暑さが戻ってきているような気がします。
でも、8月のうだるような暑さは過去の話になりましたね。
ワタクシは、カレンダー通りにお仕事をしており、本日も秋葉原におります。

さてさて、ITメディアさんのMONOist上で新しい連載を始めました。

http://monoist.atmarkit.co.jp/fmecha/articles/iphone/01/iphone01a.html

趣味で、日常的にCADを使っていない人(素人か、あるいは昔使っていたが、
今はあまりやっていない人、技術者から営業とかになった人を含む)向けに
趣味で作りたいものを作れないかという企画です。

使用するCADは、Solid Edge。特に他意はありません。
試用のキャンペーンをやっていたから、それに乗った(笑)だけの
話です。そんな安直なことでよいのかという話もありますが、趣味で
使う人は、どちらかというと使うことができるものを選ぶしかないので、
それもよろしかろうと。

機会があれば、他のCADでもやりたいです。

ちなみにさわり心地は?それほど操作に迷っていないので、よろしかろうと。

今別のsurface系のCADも少し触っているのですが、道具としては今のところ
今まで触ってきたSolidのほうがやっぱり、とっつきやすいというか、勘が
働くのだろうと思います。

で、今、お題のiPhoneケースとかのモデリングに悩んでいます(涙)
格好のよいものができない、っていうか。(モデリング以前の問題ですね)
うちのデザイナーを引っ張り込もうにも、さすが趣味でやることを
うたっている以上、彼には頼めない・・・。

ちなみに、iPhoneを置く台については、ちょっとしたアイデアが出てきました。
いずれにしても、頑張って実物にしてみます。

また、そのうちに途中経過の報告でもいたします。

ではでは。


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クラウドの3Dモデラーで家作り

みなさん、こんにちは。

もう暑いのは飽きました・・・。
でも今年は残暑が厳しいようです。

ところで、久しぶりに少しだけ時間ができのたで、というか返事待ちで
いくつか動けないものがあるので、前回の記事で書いた、Autodeskの
Homesytlerで遊んでみることにしました。

家をPC上でデザインすること自体は特に珍しくなくなりましたね。
プロでなくても、家電量販店で1万円くらいのソフトでも、それなりの
家のデザインはできるので、例えば建築士さんに自分の家の希望を伝えたり
あるいは純粋に自分の家のイメージを膨らませたりしやすいですね。

実は私は当分新たに家をたてる予定はありませんが、とりあえず試してみることに
しました。

まずは、homestylerのウェブページにアクセスしましょう。
http://www.homestyler.com/

$3次元CAD、CGとモノづくり-トップページ

はじめてアクセスする場合には、ここでアカウントを作る必要がありますが、Googleなどのサービスを使っていれば、それらのアカウントを使ってサインインすることができます。私もGoogleのアカウントでサインインしました。

ちなみに、このサービスを使う時には特に何も費用は必要ありません。
そのまま使うことができます。

ということで、あっと言う間にデザインを始める準備をすることができました。

$3次元CAD、CGとモノづくり-Starting Design

アメリカ製のソフトということで単位系はフィートなので、これは作業開始前にメートルにしておきましょう。

ここから先ですが、基本的には市販されているソフトとそれほど使い方が変わりません。
部屋とか壁とかドアなどをドラッグアンドドロップして大きさは画面上で調整することができます。
基本的に部屋は正方形や長方形なので、それらをドラッグアンドドロップすればよいだけですが、もちろん自由な形の部屋を作ることもできます。

$3次元CAD、CGとモノづくり-furniture

床や壁などのテクスチャを変えたりもできますし、およそ想像できる家具類や家電製品などは用意されています。但し、アメリカ製のものなのでメーカーはアメリカのものだけのようです。
(大体の様子がわかればそれでよいので、特に大きな問題ではないかもしれませんが)
大きなガレージのドアなどがあるのが、アメリカっぽい感じでしょうか。

その他に敷地のデザインなどもできます。

ということで、しばし遊んでいたら出来上がったのがこれ。
色々とつじつまは合っていないのですが、それはご愛嬌ということで。

$3次元CAD、CGとモノづくり-2dview

これは、ワンクリックで3DのViewに切り替えることができます。

$3次元CAD、CGとモノづくり-3dview

この家に使ったドアとかバスタブ、窓などの製品もリストにして出力することができます。

$3次元CAD、CGとモノづくり-partslist

でき上がったらあとはセーブするだけです。

無事にセーブすると、そのダイアログにこのデータのシェアをしたいかどうかを聞いてきます。
それが今っぽいですね。ちなみに、ウィンドウの右下のほうにこんなロゴ達も表示されています。

$3次元CAD、CGとモノづくり-share

あと、このままでは、おめでたく家のお絵描きをするだけになってしまうのですが、データのエクスポートをすることもできます。画像でエクスポートしたいなら、jpegの形式ですが、それ以外にもDWG(2Dと3Dのどちらでも出力できます)、Autodesk Revitの形式でも出力できるので、通常の3次元CADで扱うこともできます。

ちなみに、手近にあったRhinocerosでDWGを読み込んでみましたが、普通に読む込むことができました。(細かいところはちゃんとチェックしてみませんが、それらしい形状は出力できているようでした。)

今度は何かをもうちょっとちゃんとつくってみてRPで出力してみようか・・・

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