ヤフーニュースで、「高輪ゲートウェイ」の名称を撤回して「高輪」駅にするよう、著名人を含むグループがJRに署名を提出したと報じられました。私はこの駅名がJRから発表された時に一瞬違和感を持ったが、よくよく考えてみると、現代の鉄道に新駅を設置する場合、「このくらいの名前の駅にしないとお客さんはここを目的地にしてくれないだろうな」と感じた。実際、東急田園都市線の「南町田」駅は今年の秋に再開発が完了すると「南町田グランベリーパーク」駅に改称されることになっており、今は土休日にしか停まらない急行電車が平日も含めて全電車が停まるという思い切った政策を打ち出しているが、なぜ東急電鉄は多大な費用と手間をかけて駅名を変えるのかというと、駅そのものを目的地にしてもらいたいから。そして駅前に立つ予定のタワマンを住む場所にしてもらいたいから。つくばエクスプレスに多くある長い名前の駅は、そこが魅力ある住宅地や公園だと思ってもらいたいから。
そして長い駅名にするもう一つの大きな理由は、既存の駅と混同して欲しくないから。「南町田」の場合、以前は「グランベリーモール」という人気が高かったショッピングセンターが存在したが、そこを目指すはずが間違えて横浜線の「町田」駅で降りてしまうということが多かったらしい。おそらく新しい駅名に変われば、このようなことがかなり減ることが期待できるだろう。「流山」に対して「流山おおたかの森」があるし、「越谷」に対して「越谷レイクタウン」もある。仮に山手線・京浜東北線の駅名が「高輪」となった場合、近くに走っている都営浅草線の「高輪台」と勘違いする乗客が多いのではなかろうか。
地図研究家の今尾氏は「駅名は地名から付けるのが基本」と主張しているが、まだ鉄道が単なる移動手段で、駅は最終目的地までの中継地点に過ぎなかった時代は地名から駅を名付けることは最も理にかなっていたでしょう。だが今は黙っているだけでは鉄道に乗ってもらえない時代で、SLに乗ることが目的で山口線に乗りに行ったり、里山を走る列車や国鉄の古いディーゼルに乗ることが目的で小湊鉄道やいすみ鉄道に乗りに行きたくさせないと鉄道路線が維持できない。つまり、路線や駅そのものが需要を生み出し、そこを目的地にさせることを鉄道会社が目指す時代である。山手線や京浜東北線は、そんな政策を取らなくても乗客は嫌でも乗ってくれるから昔の考え方で駅の名前を付ければ良いと考えているのでしょうか。「高輪ゲートウェイ」は、昔ブルートレインを置いていた車庫を潰して、ただの駅としてではなく、交通および情報発信の拠点としたく大規模に整備してできる駅なのではないだろうか。そして、多くの乗客にこの駅を目的地にしてもらいたいのではないだろうか。「高輪ゲートウェイ」、大賛成です!
残念ながら山手線や京浜東北線の写真が手元になかったので、コメントで取り上げさせていただいた「いずみ鉄道」の上総中野駅で撮った写真を載せました~。2017年5月撮影
