日曜日 | 今日の風に勇気をもらって

今日の風に勇気をもらって

ささやかな日常にもたくさんの幸せが隠されている。

 

予定のなにもない日曜日を過ごすのはいつ以来だろう…とふいに

思ってみたりしました。

 

希望休を入れない限り、必ず日曜祝日は出勤になるのだけれど、

日曜祝日出勤が好きな私は殆ど仕事に出かけています。

 

本当は、今日明日の1拍2日で山歩きのツアーに申し込んでいました。

けれど、申込者が規定の人数に達しないということで中止になりました。

 

それでは、近場の町歩きにでもと考えたのですが、リフォーム後の片付けが

まだ済んでいないし、気温の変化が大きい季節のせいか、寝ても寝ても身体が

だるい(__*)あせる

 

外は緑輝く穏やかな良いお天気です。

 

午前中は小物類の整理整頓で過ぎていき、昨日運動会のあった小学校の校庭が

今日はなんて静かなことでしょう。

 

 

いつもは、勤務先のサロンなどで入居者の方たちが見ているNHKのどじまんが

おうちでこんなにゆっくり見られるなんて、ちょっと感動です。(^_^)b

見ず知らずの、いろいろな方たちの人生が垣間見えたりするこの長寿番組は

見ていても飽きることはありませんね。

 

14684897602335.jpg

 

ところで、本の話をします。

 

若い頃に熊井明子さんのエッセイに出会い、殊に「私の部屋のポプリ」

(続、続続と全3冊)が大好きで、表紙など色あせるほどになりましたが、

こんなふうに…季節を愛でて、詩や短歌・俳句を心に浸して、映画や本も

自分のお気に入りを見つけて、それを文章にできたらいいなとずっと思っていました。

これからもそばに置いておきたい本の中に入っています。

 

  青い夕べ       深尾須磨子

 

 雨上がりの夕べを梟が鳴いて

 白楊のしげみの月の涼しさ

 

 めずらしくもはればれと

 独り居をきらう私の心よ

 

 誰か 誰か

 訪れて来る人はないか

 

 この新鮮な草いちごを

 共にほめあう人はいないか

 

 このこうばしい紅茶の湯気を

 かぎながら語り合う人はないか

 

 白い窓かけが微風をふくめば

 私の揺りいすは花のようにゆれる

 

 誰か 誰か 

 訪れて来る人はいないか

 

 気軽にそよぐ葉ずれのように

 語りたさの青い夕べの心だ

 

 

       熊井明子・著「私の部屋のポプリ」より

 

 

深尾須磨子さんの詩を知ったのもこの本からで、以来、

本から辿ってゆくようにその時々の立ち位置だからこそ、「共感」という

感情から生まれてくる心強さは、日々の暮らしの支えにもなることがよくあります。

 

 

14011980115173.jpg

 

リビングに本を置きたかったのは、「読書」が好きだからというよりも

心から安心できる友だちのような存在が「本」だったからかもしれません。

 

14371202773270.jpg

 

  知らぬ海や山みることのうれしければ 

      いづこともなく旅立ちにけり  正岡子規

 

こんな歌に出会うのも熊井明子さんのエッセイ本から。

昨年の信州や礼文島を思い出して、俄に「旅心」もフツフツと生まれてきます。

 

 

 

 

「真田太平記」七巻は「関ヶ原」の章でした。

池波正太郎さんの描くこの壮大な歴史小説は真田一族以外の登場人物にも光を当てて

知らなかったことが、新鮮な物語になって、わくわくとした気もちにさせてくれます。

 

一陣の風が吹くように、400年以上もの昔に読者を誘ってくれます。

 

「滝川三九朗」はかつて織田信長の家臣であった滝川一益の孫にあたり、

今は何処にも属さず諸国を巡り歩いている浪人ですが、これから物語の

終盤に向かって、どんなふうに真田家の人たちと関わりを持つようになっていくのか

八巻以降の楽しみの一つになっています。

 

「来たるべき運命に逆らわぬお方」「飄々と生きる好漢」という滝川三九朗を

ちょっと(いや、かなりか汗)無理があるかもしれませんが、スナフキンを思い出させて

(゜▽゜*)ムーミン谷と歴史小説か…?と自分勝手に想像を膨らませるのも

ありだ。などと読書の世界はあらぬ方向へも広がっていくのでした。