退院後のIFN治療とその後 | 「素顔のままで」ニコのひとりごと

「素顔のままで」ニコのひとりごと

パパは慢性肝炎、ニコは双極性障害の治療中。息子(30)と子宮頸がんワクチン副反応と闘う娘(28)は治療を続けながらも無事結婚したよ❤️そして愛犬のそら(4歳♀)当たり前じゃない今の生活、1日1日を楽しく笑顔で過ごしています❣️思考が10代で止まっているニコのひとりごと

H15.10から2週間ほど自宅療養したパパ。
その後は普通に会社に復帰、残業はIFN治療のない火、木のみ。
それで残業手当は5万ちかくダウンし、家計には大きく響いていた。
でも8月、9月の給料がなかった月に比べれば
彼が働いてくれているだけで本当にありがたかった。
もし私が普通の主婦だったら、旦那が残業して遅く帰ってきても
ありがたいなんて思うだろうか。
普通に働いてくれているだけで
こんなに感謝できるのは、この病気のおかげかもしれない。
つらくて苦しい生活だけど、でも彼に感謝して生活していられる。
給料日には「お父さんにありがとう!って言おうね」って子供たちに
言いながら夕食をとる。
そういう家庭になれたことで、子供たちには他の家庭では教えることが
できない大事な何かを教えてあげられるかもって思います。

だから健康で残業して一生懸命働いてくれるご主人のことを
愚痴ってばかりいる友達には「もっと感謝してるって事を伝えてみたら?
それだけで旦那さんも働きがいがあるし変わってくれると思うけどな~」
ってアドバイスした事もあった。
きっと同じような状況にならないと理解できないだろうけどね。

その頃、私はパートだったけど旦那の治療費+生活費を稼ぐため
残業したり、少し遠くまで出張したり忙しく働いていた。
土、日は自治会の会合や子ども会の役員の仕事もあったため
精神的にクタクタ状態が続いていた。
旦那は約5ヶ月間のIFN治療で数値も落ち着いてきていたので
翌年の2月でいったんIFN治療をやめることが決まり
私たちはそれだけでも生活が楽になるのでとても喜んでいた。

H16.3IFN治療も一段落して経過観察のみになった。
そんなある日、スポーツ再開を言い出すパパに
「なに言ってるの?数値が上がってきたらまたIFN治療だって
 わかっているでしょう。どうしてそんなにやりたいの?」
「もうソフトボールの試合が始まったんだって!俺が出ないと
 人数が足りないって言ってるし、先生もスポーツ始めていいって
 この間の検診の時言っていただろ~」
「またそんなこと言って。うちの親が怒るのわかっているでしょ。
 今度怒ったらもう何を言われるかわからないからね。
 自分の体のことも考えて休日ぐらいは体を休ませてあげてよ!」
「大丈夫だって、日曜日試合にでるだけだから。」
そう言って結局ソフトボールチームに復帰した。
試合では久しぶりのダイヤモンドを嬉しそうに駆け回るパパ。
ホントにも~野球が好きだから仕方がないのかな~って
応援しにいってあきらめる私。ホント懲りない2人です。

それから2ヶ月くらいが過ぎ、久しぶりの定期検診でのこと。
「数値が上がってきているのでIFN治療再開ですね。明日から入院して
 ください。」
突然の入院宣告だった。
「えっ?そんな。スポーツやっていたのが原因でしょうか?」
「その可能性はありますね。これからはスポーツは無理ですから」
そう言われて絶句する彼。
(ほら言わんこっちゃない。思ったとおりだ、また入院だから親に確実に
知られるから今回は間違いなく怒鳴られる。どうしよう)
私は旦那の体のことも心配だったけど
まず思い浮かんだのが両親の激怒する姿だった。
今度は何を言い出すかわからないって思っていたから。

そんなことを考えている私の横でパパは病院の天井を見上げていた。
「俺から野球をとったら何もないよな。」ポツリそう言った。
私はどう言って慰めてもきっとパパの気持ちを逆なでするだけだと
わかっていたから
「そうだね、この際趣味を釣りにする?それともプラモ?
何か見つければいいよ。すぐにじゃなくてもいいから。
釣りだって家族で行けばいいじゃん。」
そう言うのがやっとで、あとは黙っていた。
「ごめんなさい。また迷惑かけて・・・」彼が改まってそう言い頭を下げる。
これで何度目かしら?って思いながら、でも彼を放っておけない自分がいる。
スポーツしていた彼が大好きだった。
付き合っていた時も毎週会社の野球部、応援しに行っていたからね。
それができなくなった彼も私が応援して支えてあげなきゃって
思っていた。

だけど・・・
案の定、激怒する両親。
父「そらみたことか!あれだけ注意しても聞かないんだからもう知らんぞ!」
母「彼の両親には知らせたの。全くあなたをどこまで苦労させたら気が済むの」
父「もう離婚しろ!お前を連れ戻すぞ」
そう言って私に離婚を迫る2人。

私は慌てて彼の両親に連絡をとった。
「うちの両親が今回の入院でかなり怒ってしまって・・・
 私を連れ戻すって言っているんです。私は彼と別れたくないんだけど。
 彼も好きなスポーツをどうしても諦められなくて
 治療後すぐやり始めたから・・止めても聞いてくれなかったし。
 私はどうしたらいいんだろう。」って泣きながら伝えた。

そうしたら10年ぶりぐらいだろうか
私の父に彼の父親から電話が入った。
「この度は本当にすみません。娘さんには苦労ばかりかけて。
 息子にはニコさんが必要なので離婚だけはさせないでください。」
そんな内容のことを私の父に頼んでくれたらしい。

私としては複雑な気持ちだった。
彼自身が今まで「いつもすみません」って何度もうちの両親には
言ってくれていたので、私自身はそれで十分でしょう、って思っていた。
だから彼の両親まで・・・ってあまり望んでいなかった。
でもこの数年間、うちの両親が彼の両親からのその一言を
待っていたのは確かな事で・・・
会うたびに「電話で向こう(彼の両親)に怒鳴ってやりたい!」
って私につぶやく親たち。
ひとまずこれで事が落ち着くかなって少しだけ安堵した。

親同士の関係は本当に難しい。
当人同士がよければいいって言う問題ではないみたいだから・・・
相手の親の気持ちもわかるし、実両親の気持ちもわかる。
いつもどうしていいかわからず、板挟みで本当につらかった。
だから今回の義父の電話で少し気持ちがラクになった。

とりあえず即入院して、IFN治療を再開した彼を責める人は
いなかった。私の両親は見舞いに来なかったけど・・・

その後順調に治療が進み、2週間の入院ですんだので、
援助を頼む必要もなく、ほっと一安心。
そんなドタバタがあった時に私の病気が発症してしまった。