パパの入院騒ぎのさなか、私は自分が泣くつもりがないのに
いつも涙がボロボロこぼれてきてしまう状態に困っていた。
近所の内科で相談したがデパスでも効き目がないようなら
心療内科へ行ったほうがいいと、先生の大学の同期で
この近くで開業している心療内科医を紹介してくれた。
「精神科、心療内科、内科、小児科」をやっている開業医だった。
看板を見ると「精神科」とまずあったから病院に入るまで
数分間車の中でためらっていた。
（ここで私がこの病院にかかることでこれからの子供たちに
影響が及ぶのではないか。精神病の母親を持つ子供としての
レッテルをはられてしまう。どうしたらいい。）
自分で自分に問いかけながら、でもその時の私は
以前感じた自分の限界がまた起きてはいけないと思い直し
勇気を出して病院に入っていった。
看板に「内科、小児科」とあるだけに中には普通の患者さんたちもいて
とても安心した。
（これなら通えるかも）その病院の雰囲気に私はほっとして
そう思うことができた。
そこでは個人専用のノートを用意してくれて
通院の度にそれに血圧を測った時の記録用紙を貼り付けてくれたり
治療の内容、血液検査の結果を貼ってくれるのだ。
もちろん体調のことも自分で書き込んでいいノートだった。
それが手元にあるだけで安心できた。
いつから薬が変わったかとかも記録できとても役立っています。
診察をうけると即「うつ病」と診断されてしまった。
ショックだった。
以前自己診断で可能性はあるとでていたけど
まさか本当になるとは・・・
明るいだけが取り柄の私がまさかと思った。
でもこれだけ涙か止まらないのもおかしいから
きっと本当なんだろうな～。って
とても信じたくなかったけど信じるしかなかった。
「薬の飲み始めは自律神経を整えるために
強い吐き気が２週間ほど続きますがそれを乗り越えれば
大丈夫ですよ。」
そう先生にいわれイヤイヤながらもパキシル２０ｍｇを飲み始める。
吐き気は意外と軽かったけれど、体調がいいとはとてもいえず
つらい２週間だった。
それからは便秘以外は特に副作用もなく体調もようやく良くなっていきました。
一番すごいな～って思ったことは、確実に薬の効果が現れていたこと。
いつもくよくよして悩んでいた事が、その後はそれほど気にならなく
なった。
そのせいか気持ちもラクになってきて「今までの私は病気だったのだ。」
って言う事に確信を持つことができ、「それで家事ができなかったんだ！」
って、今までの自分をようやく許すことができた。
心療内科は精神科とは違います。
本当に心の病を治してくれるところだって思います。
アメリカのドラマでも最近は普通に出てくるカウンセリングシーン。
日本もそれが当たり前になってくれたら、
この病気に対する偏見もなくなるのにな。
現在は中学校のスクールカウンセラーの存在だけでも
今の子供たちは救われますね。
私は病気にかかってしまったことを理由にパートを辞める決意をした。
上司は決して悪い人たちじゃないけれど
パートの私に時間内で納まるはずもない量の仕事を与えてくるようになり
正社員をいつ雇ってくれるか私は２～３ヶ月も前から希望していたのに
なかなか補充してくれなかった。
私は病状を話したが「病気でもいい。休み休みでいいから出てきてくれ」
って言われ１ヶ月ほど引き留められていた。
しかしそんなときにパパの入院が決まったので
もう無理だって思った。
勇気を出して再び退職願を出す。
すると上司が「辞めないでほしい。でもニコさんをこれ以上引き留めたら
可哀想だから、わかりました。」って泣きながら認めてくれた。
申し訳なくて私も思わず泣いてしまったけど
ハードな仕事は今の私ではとてもこなすことができないから
あの時辞めていてよかったと思っています。
自信を完全に失ってから転職するよりはいいものね。
偶然タイミング良く新しい仕事の話が舞い込み
トントン拍子に話がすすんで、退職して２週間くらい休養した後
無事再就職することができました。
今はパートだけどとてもやりがいのある仕事に就くことができ
私は一生懸命生きてきてよかったな～って
「捨てる神あれば拾う神あり」ってつくづく運のめぐり合わせに感謝して
います。
今の上司にも病気のことは話してあるので
マイペースで仕事をさせてもらっています。
たとえ私の病気が噂になり正社員に今後なれなくても
今の仕事は大好きなので頑張っていけるって思っています。