東武鬼怒川線の終点であり野岩鉄道との境界駅である
[新藤原駅]にて停車し点検を行うC11 207、SL「大樹」の回送列車です
2017年7月6日撮影
7月8日(土) 会津若松駅にて開催された「SLまつり」
7月9日(日) 会津田島駅でのSL「大樹」お披露目
これらのイベントのために、
営業運行を1ヶ月後に控えるSL大樹は
野岩鉄道・会津鬼怒川線を経て福島県へ初めての回送となりました
東武鉄道にとっても初めてとなる他社路線への本格的なSL回送。
その様子を少し追いかけてきましたのでレポです。
SL「大樹」の運行を1ヶ月後に控える下今市駅。
駅舎の改築・改修工事も大部分が終わり
夜の雰囲気もすっかり変わりました。
下今市駅構内を訪れると
会津若松への長旅に備えDE10 1099とC11 207が連結されていました。
終電後の回送に備え組成された編成。
東武鬼怒川線での走行では
保安装置を搭載した車掌車(ヨ8000)を常に連結しているため
なかなか拝むことが出来ないC11 207のテールです。
長距離の輸送を控えて火を落としているC11 207。
ロッド類の一部が外されリンクなどが固定されている様子が伺えます。
下今市機関区の留置線から本線へ。
終電後の下今市駅2番ホームから静かに出発して行きました。
SL回送は鬼怒川温泉駅へ。
此処から先はDE10やC11にとって初めての区間です。
SL「大樹」回送列車は新藤原駅に到着、
DE10 1099のディーゼル音が響き渡ります。
C11 207の足回りを入念に点検。
「尾瀬夜行」「スノーパル」と言った夜行列車が
新藤原駅に長時間停車する光景は見てきましたが、
この様な形で深夜の新藤原駅が活気づく事となろうとは…驚きです。
鬼怒川線の前身となる下野軌道。
その歴史は東武日光線が日光まで開業するまでより古く
今市~新藤原間が全面開業したのは大正8年の年末。
蒸気機関車が客車や貨物を牽引していたそうです。
無火とはいえ
この駅に蒸気機関車が訪れるのは何年ぶりになるのでしょうか?
大正11年には早くも全線電化され
下野電気軌道と名を改めた経緯もあるそうですが、
後に新規開業した東武矢板線では廃線までSLが活躍。
C11とは縁はありませんが
東武鬼怒川線に蒸気機関車は確かに走っていた…のですな。
DE10 1099とC11 207は新藤原駅を出発、野岩鉄道[会津鬼怒川線]へ。
国鉄野岩線として建設が進められていた路線に
国鉄を代表する蒸気機関車とディーゼル機関車が入線。
第三セクターの野岩鉄道として開業して30年あまり。
この様な機会が訪れようとは…、
シャッターを切った後もしばし信じられませんでした。
野岩鉄道[会津鬼怒川線]30.7kmをゆっくりとした速度で走り抜け、
会津鉄道との境界駅である会津高原尾瀬口駅へ到着です。
街灯も少なく星空が綺麗な山奥。
ディーゼル音が響き渡り、
点検のためのライトが瞬きます。
かつての国鉄会津線・会津滝ノ原駅。
昭和49年(1974年)10月31日にて
C11牽引の貨物列車が廃止され会津線は無煙化となったそうです。
約43年ぶりにやってきたC11。
北海道から活躍の場を移し、
会津滝ノ原駅だった当時には開通していなかった野岩線を経て入線です。
下今市駅を出発して4時間あまり、SL「大樹」は南会津へ。
会津鉄道[会津田島駅]へ回送列車がついに到着です。
時刻は5時前、会津田島駅にDE10 1099とC11 207あらわる。
会津田島駅の西側にある保線基地へ移動です。
C11 207とDE10 1099が切り離されエンジン停止。
夜に行われる会津若松駅への回送に備えます。
SL「大樹」のスタッフに手を振られながら出発していく始発列車です。
東武鉄道の電車が訪れる最北の地、福島県南会津町。
お馴染みの6050系やデビュー間もないリバティと並びます。
少し遠いですが会津田島駅に展示されているC11 254と向かい合わせに。
会津田島駅に静態保存されているC11 254。
国鉄会津線とC11は縁が深く、
昭和9年の会津線開業以来、40年ほど活躍していた歴史があります。
また会津田島駅の構内には機関区の支所があり
給水・給炭所や手回しの転車台もあったそうです。
国鉄を引き継いだJRでは無い東武鉄道所属のDE10が牽引。
野岩線を経て南からやってきた元JR北海道のC11。
会津線を走る43年ぶりのC11がこの様な形となって実現したのは
何とも不思議な光景でした。
第三セクターとして開業30周年を迎える会津鉄道。
http://www.aizutetsudo.jp/news/30th-event/
2017年7月16日(日)には開業30周年イベントが催され
1日フリーきっぷの販売や
「お座トロ展望列車」が乗車券のみでの乗車できたりするそうな。
2017年7月9日のお披露目の様子は別記事にて。