65/88 | かんくら88

かんくら88

■あるきへんろにちょうせんの巻/ 四国遍路編 *小豆島遍路編
■くるまへんろにちょうせんの巻/秩父遍路編
■ボランティアできるかなの巻

四時起床
五時出発

そーっと出る
隣の部屋の兵庫のUさんが出て来る
もう行くのかい
アンタ昨夜ずいぶん咳き込んでたね
クスリ飲むか
と言われる
壁が薄いから筒抜けなのだ
なんだか変なセキが出る
うるさかったかな
ごめんなさい
クスリは飲みました
と言うと
いやいや いいんじゃ
ワシ、足が痛うて仕方ないから今日は一緒にいけん
と言われる
なんだか勝手に高野山まで行くつもりだったので寂しくなる
兵庫のUさんはいいものは良い、悪いものは悪いと自分の意見はハッキリ言う方だったので一緒にいて居心地がよかった
なのに気をつかい場を楽しくしてくれる
本当の優しさを持っている人
残念ながら現実の世界ではなかなか逢えない
玄関まで見送りに来てくれた
出会えてよかったです
無事に結願できますように

外に出るとまだ日の出前
だんだん明るくなってくる
空が赤からオレンジ、ほんの一瞬だけ金色になる
極楽浄土というのはこういう風景ではないかな
と思いながら歩く

とか
思ってる場合ではない
つか
太陽上がるのはえーョ
あっという間に暑くなる

とにかく歩く
今日は山に登る
なのに登山口まで15キロ歩く
通過時間を予定立てしてあるがギリギリ
たまらずファミリーマートで凍ったアクエリアス二本と水を一本買う
1.5キロの荷物
仕方ない

3時間半歩きなんとか登山口に来る
日陰と休憩場所がないので歩きっぱなし
登山口の公園の東屋で20分休憩

九時前に再出発
急な坂を上がり遍路道へ
山の中は涼しい
約2キロの登り遍路道
楽しんで上がれた

65番 三角寺
三角の池があるから三角寺
小林一茶も訪れている
お遍路をしていて思ったがスゴイ人達が回っている
中でもヲレが好きなのは山頭火

ひよいと四国へ晴れきつてゐる

いろいろな所に石碑があるが
今日、遍路小屋で見つけたものが今の心境と同じだったのに忘れてしまった
アホなヲレ

一時間近くぼーっとして下山

下山途中、西の魔女からメールが来る
お昼はどのあたりですか?
とのこと
下山した所のバス停まで来てくれた

おにぎり(高野山の梅入)たくさん
ウィンナー
漬物
麦茶

持ってきてくれる
ヲレ一気に二個食う
兵庫のUさんや福島のおじさん、横浜のお兄さんの分まである
福島のおじさんはさっき車で見たとのこと
しばらくして来たのでおじさんもごちそうになる
ヲレもまたお握り一つ食う
やっぱりコンビニのお握りとはちがう
本当にうまい

一番下のお子さんが作ったヨモギの入浴剤と昨夜、好きな色を聞かれその色の手作りストラップもいただく
ヨモギの入浴剤はいい匂い
使ってしまうのがもったいない
ストラップは線香ケースに付けた

どうしてここまで人にやさしくなれるのだろう

でも
ここまでの道程で考えた事と同じなのかな
人にやさしくするとやさしくされた人もやさしくなれる
だからヲレもやさしくなろう
というのが分かった
分かったケド考えるだけと実際にやるのとは大違い

昨日、西の魔女も言っていた
ヲレは自分の事ばかりで人を応援したり人の楽しいのが楽しくなれなかった
なれる人は本当にいるのか
みたいな質問したら
人が楽しいと楽しいし
自分が楽しくて人が喜んでくれたらいいじゃない
みたいな
うまく表現できない

本当に今まで損な人生を送ってきてしまった
騙されないように騙されないようにうわべだけ

こないだどこかのお寺に
悪い人には騙されるな
いい人に騙されろ
って書いてあった

もう少しなんだけど
もう少しで何かが分かる気がする

すっかりご馳走になり
写真までとってもらい別れる
田舎に泊まろう的に
見えなくなるまでずっと手を振ってくれた

西の魔女のお陰で
人を信用してみようと思った
つか
いい人を

本当にありがとうございました
今度はお遍路宿に泊りに行きます

福島のおじさんは何がなんだか分からないまま
おにぎり、麦茶うまかったなーと言っていた
しばらく一緒に歩くがペース早いので7キロ先のドライブインで待ち合わせる事に

下山したらすかさず登り
辛い
チョーゆっくり
長いトンネルを抜ける
徳島って書いてある

道間違えたのかと思ったが道はあっているらしい

また下り
少し下るとドライブイン
福島のおじさんはビールを二本飲んでご機嫌
ヲレはアイスクリームとアイスコーヒー飲む

福島のおじさんは先に行く
風呂、洗濯混み合うので
ヲレは30分くらいして行く
横浜のお兄さんも到着している

風呂入り外でジュース飲み一服
宿のおじいちゃん出て来る
宿のおじいちゃん83歳
7年前に奥さん亡くなりしばらく1人で切り盛りしていたが
今は息子夫婦がやってくれてる
広島の被爆者だ
後遺症でガンになりやすく心臓が痛いから明後日、検査するとの事
75年前、すごく暑い日で何が起きたかわからなかったと
死んだ母親のお乳を飲もうとしている赤ん坊が一番悲しかったと言っていた

夜めしは
福島のおじさん
横浜のお兄さん
逆打ちのおじさん
奈良の自転車兄ちゃん

宿のおじいちゃんが先生となり
明日の雲辺寺までと雲辺寺からの勉強会
うどんて書いてある
先生、このうどんうまいですか
うまいよ
あれこっちにも書いてある
先生、こっちのうどんうまいですか
うまいよ
食い物の事ばっかり聞くと言われる
みんなとは今日が多分、最後
足が早いから先に行くだろう
ヲレは泊まりたい宿があるので少しズレる





みんな遍路バカだ
たまらない