道長の結婚 | 台東区入谷・浅草・三ノ輪のピアノ教室《高島ピアノ塾》とバレエピアニスト高島登美枝のブログ

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歴史と文化の地・台東区(浅草 入谷 上野)の《高島ピアノ塾》。
主宰者は早稲田大学出身の異色のピアニスト。
伴奏業の傍ら、東京藝大大学院で博士学位を取得。
20代から「音楽による経済的自立と社会貢献」を実践し
逆境から夢を叶えた音楽起業家人生のストーリー。

はいはい、本日は日曜日。

『光る君へ』の放映日でございますよ。

 

ダイエットがテーマの

短期集中連載も今日はお休みニコニコ

 

平安オタク&『光る君に』ネタで

筆を進めてまいりますチョキ

 

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…と言っても、今日のところは

政治的には話がほとんど動かず、

恋愛ドラマに終始していましたね。

 

 

北の方になりたい!

フツーにドラマを見ていると、

道長とまひろは身分違いで

結婚は難しそうに見えます。

 

道長の姉・詮子は
道長の嫁候補として

源倫子と源明子の名を挙げていますし、

史実もこの二人が

道長の妻になっています。

 

今回の終盤でまひろは

「北の方(正夫人)でなければ

結婚はいやだ」

と道長に主張して、

ドン引きされています。

 

 

道長の頭の中にも

意識していたか無意識かはともかく、

まひろと駆け落ちはせず

都で政治家として生きる以上

正夫人にはそれ相応の家格の姫を、

という思いがあったのでしょうね。

 

ドラマでは分別のある

賢い娘に描かれているまひろですが

恋心のあまり、

道長との身分差を忘れているかにも

見えますね。

 

 

父・兼家の結婚戦略

しかし、ここで目線を

ドラマから歴史へと転換してみましょう。

 

Wikiによると
道長の父・兼家の妻は6人、妾が2人。

 

6人の妻のうち1人は

村上帝の皇女ですが、

残り5人はいずれも中流貴族の娘。

つまり彼女らの父は

四位から従三位ぐらいで

受領階級です。

 

子どもの数の多さから

北の方だと位置づけられているのが、

道長たち三兄弟の母・時姫。

 

彼女の父は

身分は従四位下で

役職は受領(摂津守)です。

 

第二夫人的な立ち位置で

ドラマでは「寧子」と名付けられている

『蜻蛉日記』の作者も

父親は正四位下で、伊勢守。

 

当時、受領階級は

結構な蓄財ができたそうです。

 

嫁の実家の財力は

兄との不仲が原因で

政治的には長期間

いまいち不遇だった兼家にとって

強力な支えになったことでしょう。

 

また長男・道隆も6人の妻全員が

受領階級の父を持ち、

そのうち2人は学者です。

 

ですから、まひろが

道長の北の方になるのでなければ

結婚したくないと言ったのは

あながち高望みというわけでも

なかったと言えますね。

 

この経験は

『源氏物語』の明石の上の人物造形に

結び付くのでしょうか。

 

 

受領の富か皇室の血か中央貴族の権力か

ただ、

この受領階級中心の結婚戦略は

どうやら兼家と

長男・道隆に特有のようです。

 

当の道長の妻2人は、史上では

ともに高位の中央貴族の娘です。

 

道長の次兄・道兼の場合は

3人の妻のうち

2人は中央貴族の娘。

(もう1人は氏名・来歴不明)。

 

兼家の早世した長兄・伊尹(これただ)。

3人の妻のうち1人は女王、

1人は受領階級。

もう1人は氏名・経歴不明。


兼家と不仲の次兄・兼通には

5人の妻がいて、

2人は女王(天皇の孫)、

あと3人は中流貴族の娘ですが

受領ではなく、都で官職を得ています。

 

時代をさかのぼってみると、
兼家の父・師輔も6人の妻のうち

北の方は武蔵守の娘ですが、

内親王が3人、あと2人は来歴不明。

 

祖父・忠平の3人の妻も、

北の方は源姓を賜った皇女、

もう1人も源性を賜った皇子の娘。

(あと1人は来歴不明)

 

曾祖父・基経も三人の妻のうち
二人は女王(あと一人は氏名・来歴不明)。

 

こうして見てくると

藤原北家の嫡流の男子たちは

総じて皇室の血を引く姫か

権力のある中央貴族の娘を

娶っていると言えます。

 

道長はこの折衷パターンですね。

二人の妻の父は

ともに臣籍降下した親王の血筋で、

中央貴族ですから。

 

一方、兼家と道隆は

名を捨てて受領の富という

実を取った結婚ですが、

これは長い間、兼家の出世が

不確定だったせいでしょう。

 

長男・道隆は

年齢的に三兄弟の中で一番

父親の不遇の影響を受けていますから、

父と同じく受領階級の娘を

選ばざるをえなかったのかもしれません。

 

 

当分は青春恋愛ドラマ?

歴史上、道長の北の方は

源倫子ですので、

この先まひろは

倫子に対して心を隠しつつ、

道長への思いに

苦しむという展開になるでしょう。

 

さらに明子も加わって来ますしね。

 

明子の父は醍醐天皇の皇子で

左大臣でしたが政変で失脚、

父の弟の養女となった後。

養父も亡くなり、

道長びいきの姉・詮子のもとに

引き取られて大切にされていました。

 

政治的には
大きな動きはない期間なので

しばらくは「青春恋愛ドラマ」で

心理描写中心の展開が続くかな?

 

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